外壁調査は、建物の機能性や美観性などを保つために、外壁の状態をくまなくチェックする調査です。
外壁は常に風雨や紫外線にさらされ、経年劣化や損傷が避けられません。そのため、定期的な外壁調査を行い、早期に問題を発見し、適切な対策を講じることが大切です。
本記事では、外壁調査の必要性や主な調査方法、赤外線の外壁調査に関する内容などを詳しく解説します。
東京・足立区を拠点に日本全国対応にて本物のドローンソリューションサービスを提供しているドローンフロンティアです。
弊社ではドローンを活用した赤外線外壁点検調査を実施しております。
外壁調査とは
外壁調査とは、建物の外壁の状態を詳細に確認し、劣化や損傷の有無を評価するための調査です。
外部環境である雨風や日光は、建物の外壁に多様な経年劣化をもたらします。
劣化の程度を把握し、早期に発見して適切に修繕することは、建物を適切に維持管理するために必要不可欠です。
外壁調査が必要な理由
外壁調査が必要な理由は、建物の安全性や機能性などを保つためです。
先述した通り、建物の外壁は雨風や日光に晒されるため、経年劣化が進みやすい箇所となります。
外壁が劣化すると建物の外観が悪化するだけでなく、浮き、膨らみ、ひび割れ、剥がれといった物理的な損傷も発生します。
適切な処置を施さない場合、外壁の一部が落下して歩行者に当たるなど、重大な事故を引き起こす危険性があるのです。
これらのリスクを軽減させるためにも、外壁調査が必要です。
外壁調査を行うタイミング
国土交通省によると、外壁調査は「おおむね6ヶ月から3年以内に一度の手の届く範囲の打診等に加え、おおむね10 年に一度、落下により歩行者等に危害を加えるおそれのある部分の全面的な打診等を行う」とホームページに記載しています。
しかし、特に明確な期間は設定されていません。理由としては、適切な調査のタイミングは建物の用途や規模によって異なることが考えられるからです。
一般的には、1~3年ごとに提出が義務付けられている「特殊建築物定期調査」において、「目視及び部分打診調査」という名称で外壁の定期点検が行われます。
この点検で亀裂やひび割れなどの危険な箇所が見つかった場合は、全面的な外壁調査を依頼し、必要な箇所の修繕を行いましょう。
外壁調査の方法
外壁調査の方法は、以下2通りです。
- 打診調査
- 赤外線調査
打診調査は、ハンマーや専用の打診棒を用いて外壁を叩き、その反響音を聞くことで内部の状態を判断する方法です。
異常のある部分を叩くと正常な部分とは違う音がするため、見た目ではわからない隠れた異常も見つけられます。
一方、赤外線調査は、赤外線カメラを使用して、外壁の表面温度を測定し、その温度分布を画像として視覚化する方法です。
後ほど詳しく解説しますが、外壁に浮きや剥がれがある場合、正常な部分と比べて表面温度が異なるため、その温度差から異常の有無を判断できます。
外壁調査の一般的な流れ
外壁調査の一般的な流れは、主に以下の通りです。
- 業者を探して問い合わせる
- 見積もり依頼をする
- 契約を締結し調査してもらう
- 調査報告をもらう
詳しく解説します。
業者を探して問い合わせる
まず、外壁調査を依頼するためには、信頼できる業者を見つけることが重要です。インターネットで検索し、口コミや評価を確認します。
また、インターネットで適切な調査業者が見つからない場合、行政機関に問い合わせる方法もあります。
各都道府県の建築部や建築局の建築指導課が外壁調査に関する対応を行っていますので、電話やメールで調査業者の情報を尋ねてみてください。
見積もり依頼をする
1社だけに絞らず、複数社業者に問い合わせて、見積もりを依頼しましょう。
調査費用は、外壁の規模や調査方法に応じて見積もりが出されます。業者によっては、見積もりのために現地調査を行うこともあります。
各業者から見積書が揃ったら、価格やサービス内容などを比較検討し、最適な業者を選ぶようにしましょう。
契約を締結し調査してもらう
1社に選定したら、契約を締結し調査してもらいましょう。
調査が始まると、まずは外壁の目視調査が行われます。これは、調査員が建物の外壁を直接観察し、表面的な異常を確認する作業です。
ひび割れや剥がれ、変色などの目に見える問題点が記録されます。
目視調査の後には、より詳細な調査が実施されます。赤外線調査や打診調査が行われるといった流れです。
一般的な調査期間の目安として、打診調査は数日から1週間程度かかり、赤外線調査は1日で完了することが多いです。
打診調査を行う場合、外壁調査に加えて足場の組み立てと解体にそれぞれ1日程度かかるため、全体の日程が長くなる傾向があります。
調査報告をもらう
最後に、調査報告をもらいます。
この報告書には、発見された異常箇所の詳細が含まれます。
報告書は建物の所有者や管理者に提出され、今後の修繕計画の基礎資料となるのです。
数年ニーズを伸ばし続けている赤外線調査とは
先ほどもお伝えしたとおり、外壁調査には「打診調査」と「赤外線調査」があります。
近年では、外壁の温度差異を計測する「赤外線調査」の需要が高まっています。
外壁の異常箇所は、通常の箇所と異なる温度を持つため、赤外線カメラで撮影することにより、内部の劣化や損傷を推定することが可能です。
外壁を実際に壊したり傷つけたりすることなく、内部の状態を確認できるため、建物の構造に影響を与えずに詳細な調査ができるのも特徴です。
正確な赤外線調査に必要なキャリブレーション
タイルの浮きが赤外線画像にどのように写るかは環境によって差があります。そのため弊社では調査開始前に、打診によって浮きが確認できた箇所を赤外線でサンプル撮影し、どのように写るかを確認することで、赤外線解析の基準を最適化しています。この作業はキャリブレーション(校正作業)と呼ばれ、法定点検に赤外線調査を用いる場合には必須の作業となっています。
国土交通省が出している定期報告のガイドラインでもキャリブレーションの必要性について記載があります。
キャリブレーションの様子
まずは、打診調査を行い浮きの怪しい箇所を特定
赤外線カメラで撮影
浮いている箇所の反応をこの日の基準とし、それ以外の手が届かない範囲で赤外線撮影した温度変化を色分けによって示します。
時間による温度変化を把握しておく
赤外線調査の撮影時間による温度変化
ドローンフロンティアでは、時間ごとによる日照の角度を把握することができます。
この機能によって、何時に日が当たりやすく、壁面の温度が上がるかを想定してから調査時間を決めることができます。
このように、時間を分けて複数回数撮影することで、より正確な分析ができる方法となります。
さてここから、
赤外線調査の導入に二の足を踏んでいらっしゃる企業様のために、外壁赤外線調査のメリット、デメリットをお伝えします。
赤外線による外壁調査のメリット
赤外線による外壁調査のメリットは、主に以下の通りです。
- コストを削減できる
- 安全性が高い
- 工期を短くできる
詳しく解説します。
コストを削減できる
赤外線調査の大きな利点は、迅速かつ非破壊で建物の状態を評価できることです。
従来の調査方法では、壁を部分的に取り壊したり、足場を組んで調査する必要がありましたが、赤外線調査ではこれらの作業が不要です。
赤外線カメラを使用することで、外壁の表面温度を測定し、内部の異常箇所を推定できます。これにより、調査にかかる時間と労力が大幅に削減されます。
安全性が高い
赤外線調査は、高所作業を伴わないため、調査員の安全が確保されます。
従来の外壁調査では、建物の外壁全体を確認するために足場を組んだり、ゴンドラを使用して高所での作業を行う必要がありました。
これらの作業は、高所からの転落や落下物による事故のリスクが伴います。
一方、赤外線調査では、地上から赤外線カメラを使用して外壁全体をスキャンするため、高所での危険な作業が不要になります。
これにより、調査員が安全に作業を行うことができ、事故のリスクを大幅に減少できるのです。
工期を短くできる
赤外線調査は、現場での作業が短期間で完了します。これは、赤外線カメラで調査箇所を撮影するだけで済むからです。
さらに、赤外線調査は足場の設置を必要としないため、足場の組み立てや解体にかかる時間も削減できます。
特に緊急で調査が必要となった場合、短期間で実施できる赤外線調査がおすすめです。
赤外線による外壁調査のデメリット
一方、赤外線による外壁調査のデメリットは主に以下の通りです。
- 天候によって左右される
- 建物によっては調査が困難な外壁材もある
詳しく解説します。
天候によって左右される
赤外線調査は、外壁の表面温度を測定し、その温度分布から異常箇所を推定する手法です。
しかし、この方法は外壁の温度差を利用するため、天候条件が大きく影響します。
例えば、直射日光が強い日や急激な気温変化がある日には、外壁全体が均一に温まってしまい、微細な温度差が見えにくくなります。
これにより、異常箇所の推定が難しくなることがあるのです。
建物によっては調査が困難な外壁材もある
赤外線調査は、外壁の表面温度を測定し、温度分布から異常箇所を推定する手法です。しかし、外壁の材質や構造によっては、この方法が効果的に機能しない場合があります。
例えば、金属製の外壁や反射率が高い外壁材を使用している建物では、赤外線カメラが正確な温度データを取得することが難しくなります。
金属は熱を反射しやすいため、赤外線カメラでの温度測定が不正確になることがあるのです。
また、外壁が複数の異なる素材で構成されている場合も問題が発生します。
異なる素材はそれぞれ異なる熱伝導特性を持っており、赤外線カメラでの温度測定が一貫しない結果をもたらす可能性があります。
ドローンによる赤外線外壁調査の費用
弊社が行うドローンの赤外線外壁調査費用は、調査対象物件の規模や、ドローンを飛行させるための特殊な申請の有無等の条件によって変動いたしますが、基本的には400円/㎡程度としております。
1,000㎡の場合約40万円になりますが、足場を組んでの打診調査を行った場合約100万円かかると想定すると、約60%のコストカットができる計算になります。
赤外線調査はドローンフロンティアへお任せください!
外壁調査は、建物の安全性や機能性などを保つために必要な調査で打診調査と赤外線調査があります。
調査方法は、打診調査と赤外線調査の2つがあり、近年は赤外線調査の需要が高まっています。
赤外線調査は、従来の調査方法とは異なり、工数が減るため、コストが抑えられたり安全に作業ができたりなどのメリットが多いです。
弊社では、ドローンを活用した赤外線調査を行っており、マンションだけでなく、商業施設やホテル、学校など多様な場所で点検作業を実施しています。
他にも、ロープアクセスによる打診調査も行っています。
赤外線調査を依頼したいという方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。