これまで、戸建住宅の屋根を点検する場合、作業者が屋根に登り、目視や触診による点検が行われてきました。しかし、高所での作業になることから足場を組む必要があり、時間がかかってしまったり、人件費も相応にかかってしまったり、あるいは長期間にわたって検査や補修を行っていなかった屋根で作業者が高所で点検を行ったことによって、修理不要だった部分を痛めてしまったり、といったことが問題になるケースが少なくありません。そういった観点からドローンによる屋根の点検が注目されています。
屋根の点検は定期的に実施すべき
民間住宅の屋根について、定期的な点検は法律で定められている義務ではありません。しかし、定期点検することで劣化を早く発見することができますし、早めに対処すれば、劣化による損傷を食い止めることができますから、結果的には修繕コストを抑えることができる場合もあります。国土交通省では戸建て、集合住宅、それぞれ、定期的な点検について推奨時期を紹介しています。
木造一戸建てでは3年〜6年が目安
国土交通省と財務省が所管する政策金融機関の独立行政法人住宅金融支援機構が2022年4月に出した「マイホーム維持管理の目安 一戸建て(木造住宅)」で、屋根の点検時期の目安として、金属板葺きが2年から3年ごと、屋根用化粧スレート葺きが4年から6年ごと、瓦葺きが5年から6年ごと、雨どいや軒裏は2年から3年ごとという目安を紹介しています。
賃貸集合住宅では1年に1度の点検も
国土交通省は2018年、「民間賃貸住宅の計画修繕ガイドブック」という冊子をだしました。この中で建て方や資材などによっても異なるとしてはいますが、屋根について、築後11年目から15年目で塗装・補修、21年目から25年目で防水・葺替と修繕時期の目安を紹介しています。また、定期的な点検の重要性も訴えています。
“日常的な清掃とあわせて行う点検や、1年に1回など定期的に行う点検により、不具合のある箇所を発見しましょう。早めに見つかれば、部分的な修繕による対応が可能なので、将来的なコストを抑える効果も期待できます。また、台風や地震などの後には、破損箇所等がないかを確認する臨時点検も実施するとよいでしょう。”
出典:民間賃貸住宅の計画修繕ガイドブック「点検をしましょう」(国土交通省住宅局発行)
屋根点検を低コスト、短期間で行えるドローン
これまで屋根点検は足場を組み、作業者が屋根に登って行う手法が一般的でした。しかし、近年、ドローンによる屋根点検へのニーズが高まり、その利用が広がっています。その背景にはお客さま側、点検実施者側、私どもドローンフロンティアのような事業者側、それぞれにメリットがあるからです。
お客さま側のメリットはその場で状況確認できること
ドローンによる屋根点検の実施でお客さま側が得られるメリットの一つとして挙げられるのが、その場で、点検実施者と一緒に異常箇所や破損箇所など、屋根の状況を、動画や画像で確認することができるということです。
屋根の点検で話題になるのが「点検商法」と呼ばれる詐欺行為です。この商法は「屋根の瓦がずれている」「瓦が落ちると近所迷惑になる」「事故が発生した場合、大ごとになる」など、不安感を煽り、望まないような高額修理を行うというもの。国民生活センターや全国の消費生活センターへの相談が増えています。点検実施者とその場で確認するため、こうした詐欺被害に遭わないというのもメリットとなります。
点検作業者は不安定な高所作業から解放
ドローンの利用による屋根の点検は建物にハシゴをかけたり、足場を組んだりする必要がないため、点検準備にかかる時間を短縮できるだけでなく、作業者の人員を減らすこともできます。作業者を不安定な高所での点検から解放することにもなります。このことはお客さまにとってもメリットとなります。足場の仮設設備費用はかかりませんし、点検に関わる人手も少ないため、ドローンによる点検の方が低コストで可能になるからです。
また、屋根に傷んだ部分があった場合、点検のために作業者が屋根に登ったことで、余計に傷みを拡大してしまう恐れもあります。作業者の安全面だけでなく、修繕費用拡大の恐れを回避するという観点からもドローンによる屋根点検のメリットは大きいといえるでしょう。
事業者側にもメリット
一方、ドローンを使った屋根の点検は私どもドローンフロンティアのような事業者にとってもメリットとなります。高所での作業は危険を伴うものです。そのため、これまでの目視・触診を行う点検作業者の育成には時間がかかりましたが、ドローンによる点検作業者を育成する場合、機体の操作や運用をマスターする必要はありますが、作業者の育成期間は短縮できます。また、1日当たりに受託できる検査の数を増やすことができますから、効率化を図れます。
点検のコストダウンによって、低価格での点検サービスが可能になります。このこともお客さまにとってメリットになってきます。
ドローンによる屋根点検事業者の選び方
ではドローンで屋根の点検を行える業者はどうやって選んだらよいのでしょうか。
ドローンによる静止画・動画の撮影にはドローンの操縦技術が重要となります。飛行時間が長いパイロットが在籍している事業者を選ぶことが正確な点検、診断の結果につながります。
また、ドローンの飛行は許可が必要な場所が少なくありません。例えば人口集中地区・都市部での飛行、人または物件から30m未満での飛行、空港の周辺地域や、緊急用務空域での飛行など、特定飛行を行う場合には飛行許可が必要です。許可を取得している事業者なのかどうかを確認しましょう。
ドローンによる建築物の点検や調査にノウハウを持っているだけでなく、一級建築士など建築の専門家と提携している事業者を選ぶことも重要だといえます。
屋根の点検に関するご相談はドローンフロンティアへ
屋根の点検をドローンで行ってもらいたい、ドローンで屋根の点検をしたい、というニーズはお客さま側、点検作業者側、事業者側、それぞれから高まっています。私どもドローンフロンティアには総飛行時間1,000時間以上のパイロットが所属しているだけでなく、全国でドローンの飛行許可を取得しているため、ドローン飛行禁止区域が多い都心部の住宅でもドローンで屋根の点検を行うことが可能です。また、私どもはドローンによる点検で手間がかかっていた寸法計測業務を簡素化できるアプリ「屋根はかる君」を開発・運用しており、物件真上からの画像と軒一辺の実測値、勾配情報があれば、必要箇所の寸法と面積を算出することができます。このことで点検のスピードアップが可能となっています。お客さま方にとってはリーズナブルに、作業者や事業者にとっては安全、正確、効率化を実現しています。屋根のドローンによる点検については私どもドローンフロンティアにご相談ください。