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マンションの外壁、タイルの剥がれを見つけたら!?

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マンションの外壁を美しく彩るタイル。タイルの役割は外観に重厚感や高級感を与えるだけではありません。雨や風、強い日差し、紫外線から守る、など、外壁を守るという重要な役割を果たしています。タイル自体は経年変化や劣化に強いのですが、タイルを下地に貼る施工をどんなに入念に行ったとしても、接着力の経年変化を避けて、剥がれや浮きをゼロにすることはできません。もしお住まいのマンションの外壁にタイルの剥がれを見つけたら、できるだけ早く全面的な検査の実施をお勧めいたします。その剥がれで思いもよらない事故が起きてしまう可能性があるからです。

マンションの外壁タイル、どんなものがある?

マンション外壁

経年による劣化が少ないため、長い期間にわたって、美しい外観を維持できることから、多くのマンションの外壁でタイルが採用されています。ではマンションの外壁のタイルにはどんなものがあるのかを見ていきましょう。

釉薬の有無で分類すると2種類

マンションの外壁で使われているタイルは、石や粘土といった無機質を1,000℃以上の高温で焼き固め、成形した素材です。その特徴は耐久性、対傷性、耐火性、耐水性に優れているということ。

タイルは釉薬(ゆうやく)の有無によって「施釉タイル」「無釉タイル」に分けることができます。「施釉タイル」はタイルを焼く前に釉薬というガラス質の塗料を塗布したもの。釉薬の塗布は色やツヤを出せるだけでなく、汚れにくくする、割れにくくするといった効果があります。一方の「無釉タイル」は釉薬を塗布しないため、水や汚れを吸収しやすいという特徴があります。外壁のタイルとしては「施釉タイル」が多く採用されています。

吸水率・素地では3種類に分類

また、タイルは吸水率による分類もあり、「磁器質タイル」「せっ器質タイル」「陶器質タイル」に分けることができます。

吸水性が低い順から紹介すると、「磁器質タイル」は石英や長石などを1200℃から1350℃の温度で焼いたタイルです。「せっ器質タイル」は粘土や長石などを1200℃で焼いたタイルです。「陶器質タイル」は陶土や石灰などを1000℃から1200℃の温度で焼いたタイルです。外壁のタイルとしては「磁器質タイル」「せっ器質タイル」が多く使われています。

マンションの外壁タイル、貼り付けの施工方法は?

マンションの外壁にタイルを貼り付ける際に利用されている施工技術は大きく、「湿式」と「乾式」という2つ工法に分けることができます。

下地にモルタルでタイルを貼り付ける「湿式工法」

湿式はモルタルを使って外壁にタイルを貼り付けていくという工法になります。モルタルは、セメントと砂を水で練って作られます。「湿式工法」も外壁の下地にモルタルを塗ってタイルを張り付ける「圧着張り」や「密着張り」、タイルに直接モルタルを塗って貼り付けていく「積み上げ張り」といった方法に細分化されます。湿式工法は1枚ずつ貼っていくため、高い技術力が要求されます。そのため、施工業者の腕次第で綺麗に仕上がりますが、施工に時間がかかることや、技術力が低い業者が施工した場合、施工不良発生の恐れがあります。

接着剤で外壁にタイルを貼り付ける「乾式工法」

「乾式」は接着剤を使って外壁の下地にタイルを貼り付けていく工法です。外壁の下地コンクリートにサイディングと呼ばれる板状のボードを貼り付け、その上のタイルを接着で貼りつける手法や、専用のツメ付きボードを外壁に貼って、ツメにタイルを引っ掛け、接着剤で貼り付けるという方法も乾式工法として、普及しています。接着剤の性能が向上しているので、以前よりもタイルの剥がれに対する耐久性は向上していますが、接着剤も経年変化による劣化は発生します。

マンションの外壁タイルが剥がれるのはなぜ?

マンションタイル剥がれ

マンションの外壁タイルが剥がれてしまうのはいくつかの原因があります。では一つひとつ見ていきましょう。

外壁素材の劣化による剥がれ

マンションの外壁タイルはコンクリートやモルタルといった下地の上に貼り付けられています。タイル自体の経年変化は少ないのですが、コンクリートやモルタルは温度や湿度の変化によって、膨張したり収縮したり、を繰り返します。この変化の量は素材ごとに異なります。そのため、どうしても接着面に歪みが発生してしまいます。これがタイルの浮き、剥がれの要因となります。

目地から発生する化学変化などによる剥がれ

マンションの外壁にタイルを貼る際、継ぎ目に隙間ができます。この隙間が目地です。目地にはモルタルやコーキングで隙間を埋めています。しかし、風雨や紫外線などの影響で目地に化学変化が起きてしまい、劣化が進み、目地から浸水したり、あるいは貼り付けているタイルが浮いてきたりします。目地の劣化がさらに進むと、最悪の場合にはタイルはマンションの外壁から剥がれ、落下してしまいます。

下地処理の施工不良で起こる剥がれ

マンションの外壁に利用されるタイルの貼り付けはどんなに高い技術力で施工しても経年変化が発生し、劣化によって、浮きがでたり、あるいは剥がれが起きたりしてしまいます。しかし、施工後、10年も経たず、わずかな期間で浮きが出たり、剥がれが出たり、という現象が起きているようであれば、施工不良の可能性があります。

施工不良は湿式工法の場合、目地に充填する目地材の不足、接着力を高めるために下地コンクリートに傷をつけておく目荒らしが不十分、圧着に利用するモルタルの塗り付け量が十分でなかったり、モルタルの最高強度を得るために置く時間(オープンタイム)の管理が徹底されていなかったり、といったことが施工不良の要因として挙げられます。あるいは下地コンクリートに塗布する吸水調整剤が的確な量でなかったり、または下地コンクリートを打設するときの型枠に塗りつけていた離枠材をきちんと洗い落とせていなかったり、といったことなども剥がれの要因となります。

竣工後10年未満のマンションで外壁タイルの剥がれが発生

外壁タイル調査

マンションの外壁タイルはどんなに高い技術力で貼り付けたとしても雨や風、季節ごとの気温差、太陽の強い光や紫外線などで起きる経年変化を避けることはできません。いつかはタイルの浮きや剥がれが発生します。

しかし、築10年未満の建築物でタイルの浮きが疑われる場所が多く見つかった、あるいはタイルが剥がれ、落下してしまった、という場合には施工不良の可能性が高いといえます。その場合、私どもドローンフロンティアでは浮き率の算出を目的とした外壁の調査を実施することも可能です。浮き率が多い場合、施工不良が疑われ、剥落の危険性があるからです。

安全性を維持するためにも早めの調査を!

法定点検時期より前、大規模修繕の前に、マンションの外壁タイルに浮きや剥がれを発見してしまった、そういうときにはどうすべきでしょうか。

外壁のタイルが剥がれて落ちてしまった場合、生活している住人、付近にいた歩行者に大怪我をさせてしまう場合があります。実際、外壁タイルの剥落で死亡事故も発生しています。マンションの安全性を維持するためにも、外壁タイル全体の調査を推奨します。

ドローンによるマンション外壁のタイル調査は迅速に行えます

マンション外壁全面のタイル調査はドローンを利用することで迅速かつ低コストで行うことが可能です。打診による調査の場合、高所に足場を組まなければならないため、人手も時間もかかります。コストもそれだけかかることになります。

しかし、ドローンを利用した赤外線による外壁タイル全面調査であれば、人手もかかりませんし、迅速に行うことが可能です。その検査結果は法定検査でも利用できる精度であり、迅速な剥落防止対策、リスク対策を行うことができます。

マンションの外壁タイル、点検に関するご相談はドローンフロンティアへ

マンションの外壁のタイルが浮いているように見える、剥がれ落ちてきた、そういった現象が発生している場合、外壁の劣化は予想以上に進んでいるケースが多く見られます。剥落の危険を食い止め、安全性を維持していくためには迅速な調査が必要となります。私どもドローンフロンティアはドローン飛行禁止区域が多い都心部のマンションでもドローンで外壁タイルの点検を行うことが可能です。マンションの外壁のタイルの点検をご検討の際は私どもドローンフロンティアにご相談ください。

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