マンションの外壁タイルが浮いてきてしまった、外壁のタイルにヒビが見つかった、ひどい場合には外壁のタイルが剥落してしまった、などマンションの外壁タイルにまつわるこうしたトラブルは経年変化によって発生します。しかし、施工後数年しか経っていないのに浮いてきてしまったというケースもあります。この場合は施工不良が原因として疑われます。経年変化、施工不良、どちらにしても、外壁に異常が発見された場合には迅速に修繕する必要があります。放置し続けた場合、安全性を損なうことになり、タイルの剥落によって大きな事故を起こしてしまうリスクがあります。
マンションの外壁タイルに異常が見つかった!
マンションの外壁に貼り付けられたタイルが外壁から剥がれかかっている状態、下地のモルタルとの接着が不十分になっている場合が「タイルの浮き」という状態になります。この現象は決して珍しい現象ではありません。しかし、この現象が発生した場合、遅かれ早かれタイルが剥落してしまう危険性があり、マンションの外観を損なうだけでなく、近辺を歩行する人や置いてあるもの、駐車している車などに危害を加えてしまう可能性があります。一部にこの状態が見られた場合には早期の外壁の全面検査を検討してください。
目視や打診で外壁タイルの浮きを確認する方法
外壁タイルの浮きを確認する方法としては「目視確認」と「打診検査」という二つの方法があります。「目視確認」はタイルが貼り付けられている外壁に不自然な膨らみが発生していないか、とタイルの隙間や外壁の表面に不自然な膨らみやクラックがないかを確認します。一方、「打診検査」はタイルを軽く叩いて音を確認するという方法で空洞音がする場合、その部分のタイルの浮きが疑われます。
ドローンを利用して外壁タイルの浮きを赤外線検査で確認
赤外線カメラを搭載したドローンを利用して、外壁タイルを検査するという方法があります。撮影対象となる外壁タイルの表面温度を、ドローンに搭載した赤外線カメラで撮影し、可視化。温度変化から内部の浮きや劣化を診断する手法です。ドローンを使った赤外線による外壁タイル調査は、令和4年国土交通省告示第110号において、従来の平成20年国土交通省告示第282号の一部改正として、打診と同等かそれ以上の精度を持つ調査方法であることが正式に認められています。
外壁タイルの浮き、その原因は?
マンションの外壁タイルに発生する浮きの原因としては、経年劣化や気候の影響、施工不良などが挙げられます。一つ一つ見ていきましょう。
外壁タイルに浮きが発生する原因の一つ、経年劣化
マンションの外壁タイルに浮きが発生する原因にはいくつかあります。まず挙げられるのが「経年劣化」です。タイルと下地を接着するモルタルや接着剤は時間が経つにつれて、劣化が進み、接着力が落ちてきます。また、モルタルやコンクリートなどの下地自体が劣化することもあります。モルタルもコンクリートによって収縮します。これが原因となってタイルが浮いてしまいます。無収縮モルタルのような建材もありますが、コストが高く、外壁全体に使うのは厳しく、特に高い性能が求められるような場所や部分的な修繕への利用にとどまっています。そのため、建物が古くなるにつれて、こうした問題が生じやすくなります。
自然環境の影響、温度の変化による劣化
外壁タイルは厳しい自然環境と季節の変化にさらされています。朝晩の温度差だけでなく、季節によっての温度差もあります。夏は30度を超え、冬は零下になることがありますし、梅雨の季節には高い湿度が外壁にダメージを与え続けます。厳しい気候によって、外壁は膨張・収縮を繰り返すことになります。その結果、タイルと下地の間に微細なひび割れが生じていき、それがタイルの浮きを引き起こすことがあります。また、地震による振動、強風などの自然災害で、外部からの物理的な力が加わり、タイルが下地から離れてしまうことがあります。
施工不良の場合は建物が完成して数年で発生することも
マンションが完成して数年で外壁タイルが浮いてきた場合に疑われる原因が施工不良です。これはタイルを外壁に貼り付ける施工時に使用したモルタルや接着剤の量や品質が不足していたり、下地となるコンクリートやモルタルの目粗しいう処理をしっかりせずに貼り付けてしまったり、あるいは下地が汚れたまま貼り付けてしまったりというような、タイルの外壁への貼り付けが適切でない場合、耐久性が落ちて、わずか数年で浮いてきてしまうことがあります。
外壁タイル、修繕方法を検討する
浮きが発生しているタイルは放置すると安全上のリスクが高まるため、できるだけ早期に修繕で対応する必要があります。浮きの修繕方法としては部分的な補修や全面的なタイルの張り替えを行うことになります。まず、全面検査を実施し、問題点を明確にした上で、専門業者に依頼して、適切な修繕を行う必要があります。修繕するためには次のような方法があります。
浮きが出ている外壁タイルだけを補修
修繕の範囲が少ない場合には部分的な補修で対応することになります。タイルの状態がよい場合には浮いているタイルを再接着します。浮いているタイルを一度取り外し、モルタルや接着剤を使って再度貼り付けるという方法になります。これが最も手軽で、コストも低く抑えられます。浮いているタイルが破損してしまっている場合には同じタイルを用意して新しいものに交換します。この場合、同じタイルであっても経年変化しているものと外観の差があるため、交換した場所が目立つ可能性があります。
また、浮きが出ている外壁タイルの下にエポキシ樹脂などの接着剤を注入して、浮きを改善する注入工法はタイルを取り外さずに修繕できるため、工事期間が短く済み、コストも抑えることができます。しかし、浮きの程度や範囲によって、この修繕方法は使えない場合もあります。浮きのあるタイルを固定するために、固定具となるアンカーをタイルに打ち込み、確実に固定するアンカー固定工法も考えられます。
浮きができているタイルを含め周辺の外壁タイルまで補修
外壁タイルの検査結果で浮きが広範囲にわたっていた場合、浮いている部分だけでなく、周辺のタイルも含めて、広範囲に修繕を行います。浮きがあった部分だけを交換するよりも外観の違和感を抑えることができます。
外壁タイルを全面的に修繕
修繕費用が高くなりますが、大規模修繕の時期であれば、マンションの外壁に貼られているタイルを全面的に剥がして、新しいタイルへ張り替える方法で修繕することにより、外観の統一性を保つことができます。また、マンションの外壁タイルが浮いてきてしまう原因には経年劣化によって発生したタイルと下地の間からの雨水浸水などもあります。そのため、部分的な修繕の後も浮きが発生し続け、改善できない場合、大規模修繕などのタイミングで外壁の防水工事を検討されてみてもよいでしょう。
マンションの外壁タイル、修繕方法の検討にはドローンフロンティアの点検で!
マンションなどの建物の外壁タイルで浮きが発生した場合、安全面から迅速な修繕が必要です。修繕を部分的に行うのか、あるいは全面的に行う必要があるのかの判断には、客観的な検査データの分析が推奨されます。赤外線カメラを搭載したドローンによるマンションの外壁タイル点検は足場を組んだり、ゴンドラを設置したりする必要がないので、迅速に検査を実施できるだけでなく、人的コストを抑え、客観的な検査データを得ることが可能です。マンションの外壁タイルの安全性を維持するために外壁調査を実施したい、外壁タイルを修繕するために高い品質の検査データをみて方法を検討したい、そういった建築物の所有者様、管理者様のニーズに応えられるのが、ドローンによる赤外線調査です。ドローンによるマンションの外壁タイル点検については私どもドローンフロンティアにご相談ください。