赤外線調査

外壁打診調査とは?ドローン赤外線調査との違い・メリットデメリットを比較

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外壁の劣化調査において、従来から一般的に行われているのが「打診調査」です。建物のタイルやモルタル仕上げの外壁をハンマーなどで叩いて音の変化を確かめ、内部の浮きや剥離を検出する方法で、長年にわたり外壁調査の標準的な手法とされてきました。

一方、近年ではドローン(無人航空機)による「赤外線調査」も注目を集めています。赤外線カメラを搭載したドローンを活用して外壁の温度分布を可視化し、異常箇所を非接触で探す最新の手法です。

本記事では、 外壁打診調査とドローン赤外線調査のそれぞれの特徴やメリット・デメリットを比較 し、外壁調査の依頼を検討する際に知っておきたいポイントを解説します。

【外壁調査が必要な理由と法的な義務】

建物の外壁は年月とともにひび割れや浮き・剥離などの劣化が生じ、放置すればタイルやモルタル片の落下事故につながる恐れがあります。実際、外壁の剥落により歩行者が負傷するといった事故例も報告されており、建物の所有者・管理者は安全確保のため定期的に外壁の状態を点検・調査することが求められます。

日本の建築基準法に基づく定期報告制度では、 不特定多数の人が利用する一定規模以上の建築物(特定建築物)に対し外壁の定期調査が義務付けられています。 おおむね1年から3年ごとに専門技術者による外壁の目視確認や一部の打診調査(手の届く範囲での打診)を行い、さらに建物竣工後または前回の改修から10年目には外壁全面の詳細調査を実施して行政へ報告しなければなりません。

従来、この10年ごとの全面調査では作業員が足場やブランコを使って外壁全体を直接打診する方法(全面打診)が取られてきました。しかし、近年の制度改正により赤外線カメラを搭載したドローンによる外壁調査も正式に認められ、従来の打診調査と同等の精度で劣化箇所を確認できる手法として位置付けられています。そのため、特に高所の外壁調査ではドローンによる赤外線調査を積極的に活用する動きが広がっています。

マンション外壁調査

【外壁打診調査の特徴とメリット・デメリット】

打診調査は、調査員が外壁表面を小さなハンマー(打診棒)などで叩き、その 打撃音の違いによってタイルやモルタルの浮きを判別する調査方法 です。浮きがある部分は中空になっているため音が濁った高い音になり、正常な部分とは明瞭に異なる響き方をします。この音の変化を聞き分けることで劣化箇所を特定でき、特殊な機器を使わず人の感覚で精密な診断が可能なのが打診調査の大きな特長です。現場で確立された伝統的な手法であり、熟練の技術者が叩いたその場で異常を判断できるため、適切に実施すれば非常に信頼性の高い調査結果が得られます。

主なメリット・デメリットは以下の通りです。

【メリット】

・直接外壁に触れて確認できるため調査精度が高く、天候や季節に左右されず実施できます。

・地上や低層部であれば短時間かつ手軽に調査を行えます。

【デメリット】

・高所では足場や高所作業車など大掛かりな設備が必要になり、調査の期間・費用が増大します。

・調査結果の判定が調査員の経験や感覚に依存する面があり、技術者の熟練度によって精度に差が出る場合があります。

【赤外線外壁調査(ドローン活用)の特徴とメリット・デメリット】

赤外線外壁調査は、 外壁面の温度変化を赤外線カメラで捉えて可視化し、内部の浮きや剥離を非破壊で検出する手法 です。ドローンに高性能な赤外線カメラを搭載し建物の周囲を飛行させれば、外壁全体を効率よくスキャンして劣化部分を見つけ出すことができます。壁面内部に浮きが生じている箇所は周囲より温度が高くなるため、赤外線画像を見れば健全部との違いが一目瞭然です。

ドローンを使えば外壁に直接触れる必要がなく、足場を組まなくても建物全周を調査できるため非常に効率的です。赤外線調査の導入により外壁調査の短期間化・省力化が図れるのが大きなメリットで、コスト削減にもつながります。

主なメリット・デメリットは以下の通りです。

【メリット】

・非接触で広範囲を調査でき、高層建物でも短期間(場合によっては1日程度)で外壁全体の診断が完了します。

・足場やゴンドラの設置が不要なため仮設費用を削減でき、調査コストを大幅に圧縮できます。

・赤外線画像による客観的なデータが残り、劣化箇所の記録や分析が容易です。

【デメリット】

・日照や気温差などの条件が整わない環境では温度差が生じず、劣化の兆候を検出しにくいです。

・隙間がごく小さい浮きなど微細な劣化は温度変化がわずかで、赤外線では見逃す可能性があります。

・建物周辺に十分な空間がない場合や安全上飛行が難しい立地では、ドローンを飛ばせず調査自体が困難になる場合があります。

外壁調査

【外壁調査における打診調査と赤外線調査の併用】

上記のように、打診調査と赤外線調査(ドローン)はそれぞれに長所と短所がありますが、両者を上手に組み合わせることで調査の効率と信頼性を高めることができます。

実際、 令和4年に策定された外壁調査のガイドラインでも、ドローンによる赤外線調査を行う際には一部で打診調査による確認を併用し、結果の整合性を確かめてから本格的な撮影に移ることが推奨 されています。具体的には、調査前に手が届く範囲でランダムに選んだ数箇所を打診して健全部と浮き部の音の違いを確認し、その同じ箇所を赤外線カメラでも撮影して温度分布を見比べることで、赤外線画像上の健全箇所と異常箇所の判別精度を検証するというプロセスです。

こうした事前確認を行ったうえで建物全体のスキャンに入ることで、赤外線のみの場合に比べ信頼性の高い調査結果が得られます。さらに、赤外線調査で検出された異常箇所について必要に応じて部分的な打診で裏付けを取ることで、調査精度をより一層高めることも可能です。

打診と赤外線という異なる手法の良さを相互に活かすことで、全面打診に匹敵する精度を維持しつつ、省力化・デジタル化された効率的な外壁調査が実現できます。法令上もドローン赤外線調査は全面打診と同等以上の精度を持つ調査方法として認められており、適切な条件設定と経験豊富な調査技術者による実施を前提に、今後ますます活用が進むものと期待されています。

【外壁調査は実績豊富なドローンフロンティアにお任せください】

ドローンフロンティアは東京を拠点に全国各地で外壁調査サービスを提供しており、ドローンを活用した赤外線外壁調査の実績が豊富です。弊社には赤外線建物診断の有資格者と総飛行時間1,000時間以上の熟練ドローンパイロットが在籍しており、建築基準法に則った安全第一の調査を徹底しております。

赤外線技術の特性を理解した上で最適な条件下で撮影と解析を行うため、 打診調査に匹敵する高い精度で外壁の劣化状況を把握 することが可能です。また、足場を組まない調査によって工期短縮とコスト削減を実現いたします。実際にタワーマンションなど大規模物件でもドローン調査により「短期間・低コスト・高精度」の三拍子が揃った診断を行った豊富な事例があります。

外壁調査の手法選びにお悩みの際や、安全かつ効率的な調査をご検討中の方は、ぜひ弊社ドローンフロンティアまでご相談ください。

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