赤外線調査

マンションの外壁調査費用は何によって決まる?調査方法やそれぞれの特徴を解説!

投稿日:2023年11月28日 更新日:

マンションの美観と安全性を守るため、外壁調査は不可欠です。しかし、その費用はどのように決まるのでしょうか?

この記事では、マンションの外壁調査費用に影響を与える要因を明らかにし、各調査方法の特徴を詳しく解説します。

最適な調査方法を選択し、コストを適切に把握することで、マンションの価値を長期的に保護する手助けとなるでしょう。ぜひ最後までお読みください。

 

外壁調査はなぜ必要?3つの理由を解説

外壁調査が必要な理由を3つお伝えします。

劣化状態を知るため(マンション住民、近隣住民の安全を確保するため)

外壁調査は、マンションの劣化状態を把握し、住民や近隣住民の安全を確保するために必要です。

時間とともに進行する建物の老朽化は、見た目だけでなく構造的な問題をも引き起こす可能性があります。早期の劣化発見と対処は、重大な事故を防ぎ、住民の生活安全を守る上で欠かせません。

このため、定期的な外壁調査は重要な役割を担います。

美観を守るため

建物の外壁は、マンションの美観を大きく左右します。

外壁調査によって、色あせや汚れ、剥離などの問題を早期に発見し、適切なメンテナンスを行うことで、建物の外観を保つことができます。美しい外壁は、マンションの価値を高めるだけでなく、住民の満足度や誇りにもつながります。

定期的な外壁調査は、美観の維持にも欠かせない要素となります。

建築基準法の12条点検があるから

建築基準法の第12条により、マンションなどの建築物は定期的な点検が義務付けられています。

これには建築設備や防火設備など、安全に直結する要素が含まれます。この法律に則り、定期的な外壁調査を実施し、その結果を特定の行政機関に報告することが求められています。

この点検は、建物の安全性を保つために不可欠な手続きであり、法律遵守の面でも重要です。

外壁調査の方法には何がある?それぞれの特徴も紹介!

外壁調査の方法は、「打診調査」と「赤外線調査」の2種類があります。それぞれ詳しく解説していきます。

打診調査

打診調査とは?

打診調査とは、外壁の表面を専用の打診棒で叩き、音の違いから壁材の異常を探る方法です。

作業員は高所作業車やゴンドラ、仮設足場、またはロープを使用して壁の状態を目視と音でチェックします。ひび割れや剥離などの外壁の問題を目視と音で発見することが可能で、経験豊かな作業員が行えば、必要な修理箇所を正確に特定できます。

ただし、高所での作業は範囲が限定されるため、費用が高くなる傾向があります。

打診調査の特徴

打診調査は、外壁を直接目視することで高い確実性を持つ点検方法です。

作業員が直接外壁を観察するため、赤外線調査では見つけにくい不具合も発見できます。しかし、足場の設置や人件費の増加により、費用が高くなる傾向があります。工期も足場の設置や解体に時間がかかるため長くなりがちですが、ロープを使った調査方法もあり、これにより費用と工期の削減が可能になります。

赤外線調査

赤外線調査とは

赤外線調査は、外壁を赤外線カメラで撮影し、温度変化を分析して壁の浮きやひび割れ、剥離の有無を確認する方法です。

赤外線カメラは、高温部分を赤く、低温部分を青く表示し、外壁と下地の間の空気層による熱の蓄積を検出します。打診調査と比較して、赤外線調査は短時間で低コストに行えるのが特徴で、画像解析のみで外壁の劣化を検出できます。

赤外線調査の特徴

赤外線調査の最大のメリットは、コストと工期の削減です。足場の設置が不要で、単に撮影するだけなので、打診調査よりも費用が抑えられ、作業期間も短縮できます。高所作業のリスクがないため、公共の建築物などで好んで選ばれます。

ただし、この方法は細かい浮きやひび割れを見逃す可能性があり、撮影と解析に頼るため、調査結果の信憑性に疑問が残ることがデメリットです。

立地、建物の形状によって方法が決まることもある

外壁調査の方法選択には、建物の立地や形状も大きく影響します。

例えば、狭い場所や特殊な建築デザインを持つ建物では、特定の調査方法が適していない場合があります。また、高層建築物や複雑な外壁構造を持つ場合、特定の調査技術が必要となることがあります。

これらの要因を考慮して、最も効果的かつ安全な調査方法を選択することが重要です。

マンションの外壁調査費用、気になる相場は?

マンションの外壁調査費用の相場について解説していきます。

打診調査の費用相場

打診調査の費用は、1平方メートルあたり約280円から700円の範囲で変動します。

マンションか戸建てかによって費用は大きく異なり、特にビルや集合住宅では外壁の表面積が広いため、足場や作業員が増え、工期が長引くことで費用が高くなる傾向があります。足場の設置と解体にはそれぞれ1日程度かかるため、赤外線調査と比べ工期も長くなります。

屋上からロープを使用する方法は、足場の設置が不要であるため、時間と費用の節約が見込めます。目視による調査や予備調査を含めた報告にかかる費用も、総コストに影響を与えます。

赤外線調査の相場費用

ドローンを活用した場合

ドローンを使用した赤外線調査の費用は、複数の要素により構成されます。これには赤外線調査費、安全補助者費、国土交通省への飛行申請代、赤外線解析報告書作成費、諸経費が含まれます。

例えば、ゴンドラを使った調査が約500万円かかるのに対して、ドローンを用いた場合は約78万円程度と、費用が大幅に削減される傾向があります。

ドローンによる調査は、高所作業のリスクを軽減し、時間とコストの節約を実現します。

ドローンを活用しない場合

ドローンを使用しない赤外線調査の費用相場は、1平方メートルあたり約120円から350円です。

最低費用は打診調査と大差ないものの、上限では打診調査に比べて40万円程度安くなる可能性があります。この費用には画像解析費用などの諸経費が含まれます。また、現地撮影費用や機器使用料が追加で発生することもあります。

しかし、建物の面積が大きくなっても、費用の増加は限定的であり、広範囲を調査する場合には、赤外線調査が打診調査よりもコストを抑えることが可能です。

 

外壁調査費用を抑えたいなら、ドローンによる赤外線調査がおすすめ

外壁調査費用を抑えたいなら、ドローンによる赤外線調査がおすすめです。その魅力について解説していきます。

ドローンを活用した赤外線外壁調査のメリット

調査精度が高い

ドローンを用いた外壁調査は、その高い調査精度で注目されています。

そもそも地上からの赤外線調査は高所(5階以上の建物)では著しく精度が下がってしまうというデメリットがありました。ドローンを使用することで建物の高所や狭い箇所にも容易にアクセスできるようになり、広範囲を短時間で詳細に撮影することが可能です。このため、従来の方法では見落としがちな細かいひび割れや浮きなどの初期段階の劣化も発見しやすくなります。また、ドローンに搭載された高解像度カメラや赤外線センサーは、外壁の状態を正確に捉え、詳細なデータを提供します。

この精密な観察により、必要な修繕箇所を的確に特定し、無駄なメンテナンスコストを削減することができます。

工期が短い、足場を組むなどの手間がかからない

ドローンによる外壁調査の大きな利点は、工期の短縮と手間の軽減です。

従来の方法では足場の設置や解体に時間と労力がかかりましたが、ドローンを使用することでこれらが不要になります。ドローンは迅速に高所や難アクセス部分の撮影を行うことができ、調査自体も数時間から1日程度で完了することが多いです。このスピードと効率性は、特に大規模な建物や繁忙期のビルメンテナンスにおいて、大きなメリットとなります。

また、足場の設置が不要なため、住民や通行人への影響も最小限に抑えられます。

足場を組まないので費用を抑えることができる

ドローンを使用した外壁調査は、経済的な観点からも大きなメリットがあります。

最も顕著なのは、足場の設置にかかるコストの削減です。従来の外壁調査では、足場の設置と解体に多額の費用が発生しましたが、ドローンを使えばこの必要がなくなります。これにより、特に面積が広い建物や複雑な構造を持つ建物において、大幅なコスト削減が可能になります。

また、調査工期の短縮により人件費やその他の経費も削減され、全体的な外壁調査のコストを大きく抑えることができます。これは、特に長期的な建物のメンテナンス計画を考える際に重要な要素となります。

データを残せること

ドローンによる赤外線外壁調査は打診調査と違い画像データが残るため、後から振り返ることができるのも大きな魅力の一つです。次の点検の際に遡って画像データを確認することで、劣化の進行具合を把握することが可能です。

 

外壁調査のことならドローンフロンティアへご相談ください。

マンションの外壁調査は、建物の美観と安全性を維持するために重要です。その費用や方法は様々で、最新技術の一つにドローンを使用した調査があります。

ドローンを活用した赤外線外壁調査をお考えであれば、信頼と実績のある「ドローンフロンティア」がおすすめです。

ドローンフロンティアは東京を拠点に日本全国でドローンソリューションサービスを展開している産業特化型のプロドローンパイロットチームです。ただ、ドローンだけではなく、通常の打診調査やロープアクセスを使った無足場工法による調査も行うことができます。物件ごとの状況に合わせた外壁調査のご提案をさせていただきます。

費用対効果の高い調査を求めるなら、ドローンフロンティアに相談してみてはいかがでしょうか。その専門知識と技術により、マンション管理の質がさらに向上することでしょう。

お問い合わせはこちら

 

-赤外線調査

関連記事

タイルが浮く陶片浮きとは?下地浮きとの違いや補修方法までまとめて解説!

外壁タイルは頑丈に施工されていますが、長年に渡り紫外線や風雨、地震などの影響を受ける外壁タイルは、どうしても施工当時より劣化します。そして、場合によってはタイルが浮いたりかけたりすることも珍しくありま …

外壁調査の手法は?打診調査と赤外線調査の比較とドローン活用の利点

東京・足立区を拠点に日本全国対応にて本物のドローンソリューションサービスを提供しているドローンフロンティアです。 弊社ではドローンを活用した赤外線外壁点検調査を、建築基準法に則って実施しております。 …

12条点検(定期報告制度)とは?建物全体を調査する必要はある?

東京・足立区を拠点に、日本全国対応にてドローンソリューションサービスを提供しているドローンフロンティアです。 今回は、お客様からもお問い合わせの多い「12条点検(定期報告制度)」について、詳しく解説し …

建築設備定期検査と特定建築物定期調査の違いを解説

建築基準法の12条では、建築物の安全性を確保することを目的とした法令が定められています。この法令を元にした点検制度が12条点検と呼ばれるものです。12条で定義される点検は大きく分けて「建築設備(昇降機 …

大規模修繕の調査を低コストかつ正確に行う方法

大規模修繕調査の必要性 大規模修繕の建物診断・劣化診断の必要性 大規模修繕調査は、マンションなどの経年劣化や不具合を修繕するために12〜15年周期で行われます。基本的には「長期修繕計画」に沿って行われ …