赤外線調査

病院が実施すべき外壁調査の必要性とは?知っておきたい外壁調査の基本を解説!

投稿日:2024年2月6日 更新日:

病院のように自力で避難することが難しい方が寝泊まりして利用している施設は、3年ごと及び竣工から10年に1回必ず病院の外観に異常が無いかを確認する外壁点検を実施しなければいけません。

とはいえ、パッと外壁を見て問題なさそうに見えると外壁調査を実施する必要性が分からない方も多いでしょう。本記事では、病院が外壁調査を実施する必要性や、外壁調査を実施する方法などを解説します。

病院に義務づけられている2つの外壁調査

 

外壁調査を義務づけられているのは、大きく分けて「病院」と「患者の収容施設がある診療所」のふたつです。これらの施設は、以下の要件を満たす場合、特定建築物定期調査と呼ばれる3年に1回の外壁調査を実施しなければいけません。

  • 3階以上に対象用途があり、100㎡を超えるもの
  • 2階部分の対象用途の床面積が300㎡以上あるもの(ただしは2階部分に患者の収容施設がある場合に限る)
  • 地階に対象用途があり、100㎡を超えるもの
  • 200㎡を超えるもの

実施しなければいけない外壁調査は特定建築物定期調査だけではありません。施設の竣工から10年または外壁改修から10年が経過した施設は、全面打診等調査と呼ばれる10年に1回の外壁調査を受けることも義務づけられています。

外壁調査を実施する2つの方法

外壁調査の方法は、「打診調査」と「赤外線調査」の2種類の方法があります。2022年にドローンによる赤外線調査が定期調査の方法として取り入れられてからは、ドローンによる赤外線調査が主流になってきました。ただし、調査する建造物によって打診調査の方が適していたり、打診調査と赤外線調査を併せて実施したりすることもあります。

外壁調査の方法①打診調査

打診調査は仮設足場やゴンドラ、ロープなどを使用して作業員が壁を直接「打診棒」と呼ばれるハンマーで叩き、叩いた音の違いから浮きなど壁面の異常を確認する方法です。

長年実施されてきた打診調査は作業員が直接打診して確認するため、熟練の作業員による打診調査は精度が優れています。また、作業員は音だけではなく、目視でひび割れや剥離も確認するため、必要な修繕箇所を正確に把握可能です。赤外線点検で確認しにくい不具合も見つけられるというのが最大のメリットと言えます。

ただしデメリットとして、壁を打診する際の足場を確保するためのコストに注意が必要です。高所での作業はどうしても対応可能範囲が制限されるため、足場設置の費用がかさみます。加えて、建造物によっては立地の都合上、足場を設置したりゴンドラを使用したりできないことも珍しくありません。

外壁調査の方法②赤外線調査

赤外線調査は赤外線カメラで外壁を撮影し、サーモグラフィーを活用して外壁の表面温度を読み取り、温度変化を分析することでタイルの浮きやひび割れ、剥離などを確認する方法です。ドローンで外壁調査を実施する際には、ドローンに赤外線カメラを搭載して飛行させながら外壁を撮影します。

外壁タイルやモルタルが浮いている状態は、見た目は異常がなくとも壁面との間に発生した空気によって熱を蓄積しやすい状態です。サーモグラフィーでは低温部分は青く、高温部分は赤く表示されるため画像解析のみで外壁の異常を確認できます。

赤外線調査は足場が不要なため打診調査よりコストを抑えて外壁調査をしやすい反面、細かい浮きやヒビなどを見逃す可能性がゼロではありません。

病院で外壁調査を実施する必要性

外壁調査では、外壁がタイル(湿式)仕上げ、石貼り(湿式)仕上げ、モルタル仕上げで出来ている建造物が対象として点検を行います。少し見ただけでは問題ないように思えても実際はタイルが浮いていたケースも珍しくありません。

 

引用:”佐賀玉屋で外壁崩落 2階部分剥がれる けが人はなし” | 西日本新聞me | https://www.nishinippon.co.jp/item/n/410275/#google_vignette | 参照2024-02-02

例えば、2018年には佐賀県にある1980年に建造された百貨店の外壁タイルと天井の一部が剥がれ崩落する事故が発生しました。幸いけが人はいなかったものの、同じように外壁のタイルが剥落した事故では死亡者が出てしまったケースも少なからず存在します。

外壁調査の対象となる病院は患者さんだけではなく、医療従事者やお見舞いに来る家族の方、外来の方と不特定多数の人が来院する場所です。特に、来院する方は安全で快適な環境で医療を受けられると判断して病院を選ぶ方がほとんどです。

判断基準は清潔感や看護師の対応などさまざまなものがありますが、これらの判断基準より先に安全な環境であるという条件は不可欠ではないでしょうか。

医療を通して怪我や疾患を治療する病院で老朽化により剥落したタイルがぶつかりけが人が出た場合、今後来院する方にとって「本当にもう安全なのか?」と疑念を持たざる得なくなります。そして、進行形で通院している方も不安を感じながら通院することになりかねません。

安全と健康を提供する病院だからこそ、病院の老朽化などによる事故が起こらないよう、外観の健康を確認する外壁調査を実施する必要があります。

病院の外壁調査ならドローンフロンティアへご相談ください。

病院の外壁調査は法令で義務づけられているから実施しなければいけませんが、それと同時に来院者が外観による安心感を得られるように品質を保つためにも外壁調査の実施が望ましいです。病院の外観が魅力的かつ清潔である場合、来院者は病院自体への信頼度が高まり、受ける医療に対する安心感を得やすくなります。

病院の外壁調査で打診法と赤外線調査、どちらが良いか分からないとお悩みであれば、信頼と実績のある弊社「ドローンフロンティア」での外壁調査がおすすめです。

ドローンフロンティアは東京を拠点に日本全国でドローンソリューションサービスを展開している産業特化型かつプロのドローンパイロットチームとしてドローン外壁調査を実施しています。ただしドローンだけではなく、通常の打診調査やロープアクセスを使った足場を組まない調査も実施可能です。ドローンフロンティアでは物件ごとの状況に合わせた外壁調査のご提案をさせていただきますので、さまざまな外観の病院に対応できます。

費用対効果の高い調査を求めるなら、ドローンフロンティアにご相談ください。弊社の外壁調査により、問題を早期に発見し、修理や改善のコストを削減し、施設の状態を良好な状態に保つサポートを行ってまいります。

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