赤外線調査

ドローン点検とは?外壁点検や屋根点検、その他幅広い活用事例について紹介

投稿日:2024年4月3日 更新日:

近年、点検業務にドローン(無人航空機)を活用する動きが急速に広がっています。これまで足場や高所作業車が必要だった建物の外壁や屋根の点検も、空から安全かつ効率的に実施できる時代になりました。特に建物外壁の定期点検では、従来の打診調査に代わる手法としてドローン搭載の赤外線カメラによる調査が公式に認められ、業界の関心を集めています。ドローン点検は外壁点検に限らず幅広い場面で活用が進んでおり、建物・設備管理における新たな選択肢として注目されています。

本記事では、 ドローンを活用した外壁点検・屋根点検、またその他の幅広い活用事例について紹介 します。

ドローン点検が注目される背景

建物の安全維持には定期的な点検が欠かせません。とりわけ大規模建築物では、経年劣化による外壁タイルの剥落事故などを防ぐため、建築基準法に基づき竣工後10年目以降おおむね10年ごとに外壁全面の点検(特定建築物定期調査)が義務付けられています。従来は専門技術者が足場やゴンドラを使い、テストハンマーで外壁を打診する方法が主流でしたが、作業には高いコストと時間がかかり、作業員の転落リスクも伴っていました。

こうした中、国土交通省は2022年に調査方法の基準を改正し、 ドローンを活用した赤外線調査が外壁点検の正式な手法として認められました 。これは従来の打診と同等以上の精度を持つことが条件ですが、技術の進歩によりそれが可能になったためです。少子高齢化による人手不足やインフラ老朽化への対応策としても、効率的なドローン点検の普及に期待が高まっています。

外壁点検へのドローン活用

外壁の定期点検は建物管理者にとって重要な業務です。従来の外壁点検では、全面打診調査を行うために足場設置や高所作業車の手配が必要で、多大な費用と日数を要しました。

しかしドローンと赤外線カメラを用いれば、建物の外壁を遠隔から短期間で調査可能です。赤外線(サーモグラフィ)調査では、表面上は異常が見えないタイル内部の浮きを温度差から検知できます。国の実証実験でも ドローンによる赤外線外壁調査が従来の打診と同等以上の精度で劣化を検出できる ことが確認され、法改正を経て正式に導入されました。

ドローン点検により、外壁全面を隅々まで調べても 調査期間は従来より大幅に短縮 され、施設の利用制限も最小限で済みます。さらに高所作業が軽減されることで作業員の安全確保にもつながります。なお、赤外線調査で異常が疑われる箇所は、 必要に応じて近接目視や打診による確認を併用 することで、調査の信頼性をより高めることができます。

※ドローン機材の種類と特徴についての詳細は、こちらの記事をご覧ください。

外壁調査に使われるドローン機材の種類と選び方 ── 実際の現場で使用されている機体とその特徴 ──

屋根点検へのドローン活用

屋根の点検作業でもドローンは有効に活用できます。従来は勾配のある屋根や老朽化した屋根に人が上って点検する必要があり、 転落の危険屋根材を破損させるリスク がありました。

しかしドローン空撮による屋根点検なら、地上から安全に屋根全体を観察できます。高性能カメラで撮影した画像を拡大すれば、ひび割れや瓦のずれなど細部の異常も把握できますし、屋根に直接触れないため調査による傷みも避けられます。広い工場や倉庫の屋根点検でも短時間で全域を確認でき、台風後の点検など緊急時にも迅速な状況把握が可能です。赤外線カメラを用いれば、屋上防水層下の雨水の滞留などの目視では難しい不具合を検出できる可能性もあります。このように ドローン活用により、屋根点検は安全性・効率性が飛躍的に向上 しています。

ドローン点検の幅広い活用事例

ドローン点検は建物の外壁や屋根以外にも、様々な分野で活用が進んでいます。

例えば、太陽光パネルの点検では赤外線カメラで発熱異常のあるパネルを検知し、効率的に不良箇所を洗い出せます。橋梁やトンネルなどインフラ設備の点検では、人が立ち入れない高所や狭所でもドローンにより遠隔調査が可能となり、老朽化した構造物の維持管理に役立っています。風力発電タービンの羽根工場プラントの煙突・貯槽タンクなどの点検にもドローンが導入されており、 危険な高所作業の代替手段 として重宝されています。送電線や鉄塔の設備点検でも、近距離から高精度の撮影を行うことで異常箇所の早期発見に貢献しています。

これらの事例に共通するのは、従来は 危険・困難だった点検作業をドローンが安全かつ効率的に実現している点 です。建物管理の分野でも、こうした先行事例を参考にドローン点検を取り入れる動きが今後さらに広がっていくでしょう。

ドローン点検のメリット

ドローンを点検業務に導入することで、以下のような多くのメリットが得られます。

安全性の向上

作業員が高所や危険箇所に登らずに済むため、 転落事故などのリスクを大幅に低減 できます。また非接触で調査できるため、点検作業自体が建物にダメージを与える心配もありません。

点検作業の効率化

ドローンによる空撮は一度に広範囲をカバーでき、足場設置の手間も不要なため、従来より 短時間で点検を完了 できます。施設の稼働を止めずに調査でき、利用者への影響も最小限で済みます。

コスト削減

足場や高所作業車の設置費用、人件費などが削減でき、 点検コストを抑制 できます。実際に、ドローン点検の導入で外壁調査コストが大幅に低減した事例も報告されています。

高精度なデータ取得

ドローン搭載の高解像度カメラや赤外線カメラにより、劣化箇所を詳細に記録できます。人の目では見逃す微細なひび割れも高精度な画像解析で捉えられ、赤外線なら内部の浮きや水分も検知可能です。 取得したデータはデジタル保存できるため、点検報告書の説得力が増し、経年比較による劣化傾向の把握にも役立ちます 

人手不足への対応

広い建物や多数の設備を限られた人員で点検できるため、 慢性的な技術者不足への対策 となります。経験豊富な職人でなくともドローン操縦者がいれば点検可能になるケースもあり、将来的な維持管理の省力化につながります。

※ドローン点検に関わる資格についての詳細は、こちらの記事をご覧ください。

ドローン点検に資格は必要?取得しておきたい資格の種類と活用メリット

ドローン点検の注意点

便利なドローン点検にも、留意すべき注意点がいくつか存在します。

天候・環境条件

強風時雨天時はドローンの飛行が困難で、点検を延期せざるを得ない場合があります。またGPS信号が届きにくい場所や屋内空間では安定飛行が難しく、点検できる範囲に限界が生じることもあります。

法規制の遵守

ドローンの飛行には航空法などによる規制があります。市街地での飛行や夜間飛行には国土交通省の許可が必要となり、操縦者も必要な技能証明を取得していなければなりません。安全確保のため、飛行禁止区域の確認や関係機関への届け出など法令遵守を徹底する必要があります。

近隣への配慮

建物周辺でドローンを飛行させる際には、 周辺住民やテナントへの事前周知 が望ましいです。不意のドローン飛行はプライバシーや騒音への不安を招く可能性があるため、あらかじめ点検の目的・日時を知らせ、現場では関係者と分かる表示をするなどの配慮が求められます。

信頼できる業者にドローン点検を依頼する意義

ドローン点検を成功させるには、経験豊富で信頼できる業者に依頼することが重要です。プロの業者であれば、事前に建物の構造や周辺環境を踏まえた調査計画を立て、 必要な飛行許可の取得や安全対策も適切に実施 します。点検結果についても詳細な報告書を作成してくれるため、建物管理者は安心して維持管理計画に活用できます。特に外壁調査では、ドローン赤外線調査と併せて打診調査も行える業者であれば、見落としのない万全な診断が期待できます。

弊社ドローンフロンティアでは、 赤外線カメラ搭載ドローンによる外壁・屋根点検サービスを提供しており、必要に応じてロープアクセスによる打診調査も実施可能 です。調査対象となる建物に最適な手法を組み合わせ、安全第一で正確な点検を行っています。ドローン点検をご検討の際には、ぜひドローンフロンティアにご相談ください。

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