赤外線調査

ドローンの点検が増えている理由やできること9選|メリットや費用相場についても解説

投稿日:

建設業のドローン活用をトータルで支援するドローンフロンティアです。
今回は急速に普及が進むドローン点検について解説します。

ドローン技術が進化する中、インフラや設備などの点検作業でドローンを利用する人が増えてきました。

インフラや設備の安全性を保つためには、人が作業を行うよりもドローンを使ったほうが有効的な場合が多いことが考えられます。

そこで本記事では、点検用ドローンの活用が増えてきている背景を踏まえて、点検用ドローンができることや導入するメリットをお伝えしていきます。

点検用ドローンの活用が増えてきている背景とは

近年、ドローンを使った点検作業が注目されています。

その理由は、慢性的な人手不足や、より高い安全性が求められるようになったからです。

従来の点検方法では、人間が高所や危険な場所に直接アクセスする必要がありましたが、ドローンを活用することで、これらの作業を省くことが可能になったのです。

もともとドローンの技術は、点検作業を行うのに適しているという見方があったのですが、法律上の問題から、なかなか導入できませんでした。

しかし、2019年2月に国土交通省が「定期点検要領」の改定を行ったことで、法定での点検作業においてドローンの使用が公認されるようになったのです。

これらの背景により、近年は点検用ドローンの活用が増えてきています。

点検用ドローンができる9つの点検

点検用のドローンを導入する場合、主に以下9つの点検作業ができます。

  • 屋根の点検
  • 道路の点検
  • 橋梁の点検
  • 配管の点検
  • 太陽光パネルの点検
  • 工業プラントの点検
  • マンション・ビルの点検
  • 建築現場の点検
  • トンネルの点検

詳しく解説します。

屋根の点検

点検用ドローンは、屋根の点検を行う際に適しています。

屋根は高い位置にあるため、従来の方法では点検作業に多くの時間とコスト、そして安全上のリスクが伴っていました。

しかし、ドローンを活用することで、これらの問題を劇的に解決できます。

ドローンは高解像度のカメラを搭載しており、高い場所でも地上からの遠隔操作で精密な画像を捉えることが可能です。

これにより、屋根の状態を詳細に把握し、瓦のずれや亀裂、損傷といった問題点を素早く特定できるのです。

道路の点検

道路点検も、ドローンを活用することで効率よく点検ができるようになります。

従来、道路の点検は地上からの視覚確認や、特定の機械を使用して行われてきましたが、ドローンを利用することで、これらの作業がより効率的かつ安全に実施できるようになりました。

ドローンは、高い視点からの広範囲を一度に視認できるため、ひび割れや穴、損傷などの問題を素早くかつ正確に特定できます。

さらに、ドローンは交通の流れを妨げることなく点検が可能であり、作業員が危険な状況に晒されることなく安全対策を計画できるといった点もメリットです。

橋梁の点検

橋梁はその構造上、点検が困難であることが多く、特に高所の部分にはアクセスが難しいです。

しかし、ドローンを利用することで、これらの課題を克服し、高い効率性と安全性をもたらしています。

ドローンは、橋の上部構造はもちろんのこと、周辺の状況も容易に確認できます。

これにより、ひび割れや腐食、構造的な損傷といった問題点を迅速に特定できるため、修繕の必要性を早期に把握し、計画的なメンテナンスを行うことが可能です。

配管の点検

配管は、人が直接アクセスしづらい場所に設置されており、従来の点検方法では時間がかかり、安全上のリスクも伴いました。

しかし、非GPS環境でも使用できるインフラ点検用ドローンを使用すれば、これらの狭い空間や高い場所に容易にアクセスでき、配管の損傷や漏れ、腐食といった問題を迅速に特定することが可能です。

特に目に見えない亀裂や温度異常を検出し、これらの情報から配管の健全性を評価できるのは大きなメリットと言えるでしょう。

太陽光パネルの点検

広大な太陽光発電所や屋根上の太陽光パネルシステムにとって、従来の手法では時間と労力がかかりすぎる点検作業を、ドローンは迅速かつ正確に実行することが可能です。

ドローンに搭載された高解像度カメラや熱画像センサーは、パネルの破損、汚れ、劣化などの問題を詳細に捉え、効率的に識別します。

特に熱画像センサーは、パネル内のホットスポットを検出するのに非常に効果的で、これにより発電効率の低下の原因となる部分を特定できます。

工業プラントの点検

工業プラントは、その複雑な構造と、時には高温や有害物質を扱う環境のため、人間による直接的な点検には多大なリスクが伴います。

このような背景の中、ドローンは安全な距離からプラント全体や特定の機器の詳細な検査を可能にします。

ドローンに搭載された高性能カメラやセンサーは、可視光線のみならず、赤外線や特定のガスを検知する技術を用いて、機器の異常な発熱、構造上の微細な亀裂、腐食や漏洩など、目に見えない問題点も正確に捉えます。

この情報は、事故の未然防止やメンテナンス計画の策定に不可欠なデータを提供し、プラント運営の効率化と安全性の向上に直結するでしょう。

マンション・ビルの点検

従来、高層建築物の外壁や屋根の点検は、足場を組むか、作業員がロープで吊り下がるなどの高リスク作業が必要でした。

しかし、ドローンを使用することで、これらの危険を回避しつつ、より迅速かつ広範囲にわたる検査が可能です。

ドローンは、高度な機動性を活かしてビルの隅々までアクセスでき、高解像度カメラでの撮影により、ひび割れや剥がれ、水漏れといった損傷を詳細に記録します。

建物の状態を正確に把握し、必要な修繕作業を早期に計画できるため、建物の長期的な維持管理に寄与するでしょう。

建築現場の点検

建築現場での点検用ドローンの活用は、プロジェクトの効率性、安全性、そして品質に直結します。

建築現場は常に変化し、多くの場合、広範囲にわたるため、従来の点検方法では時間がかかり、全体像を捉えるのが難しいことがありました。

しかし、ドローンを利用することで、空中からの俯瞰撮影が可能になり、建築プロジェクトの進捗状況を迅速かつ正確に把握できるようになります。

トンネルの点検

トンネルは閉鎖された空間であり、人間が直接点検を行う際には照明や通気といった追加の設備が必要であり、作業は時間がかかり、困難を伴うことが多いです。

しかし、ドローンを活用することで、これらの課題を大幅に軽減できます。

特に非GPS環境でも使用できるインフラ点検用ドローンを使用すれば、トンネル内の壁面や天井を近くで撮影し、ひび割れや水漏れ、腐食といった損傷を詳細に記録できます。

これにより、トンネルの状態を正確に把握し、必要な修繕やメンテナンスを計画することが可能になります。

点検用ドローンを導入するメリット

点検用ドローンを導入するメリットは、主に以下の通りです。

  • 点検に必要な人員の削減
  • 質の高い点検作業が可能
  • 点検作業の安全を確保

詳しく解説します。

点検に必要な人員の削減

点検用ドローンを導入する最大のメリットは、点検作業に必要な人員の削減です。

従来の点検方法では、特に高所や危険な環境での作業を行うために、多数の専門技術を持った作業員が必要でした。

これには、作業の準備や実行、安全管理など、多大な労力と時間が投じられてきましたが、ドローンを活用することで、少数のオペレーターによって現場を回すことができます。

特にドローンは短時間で広範囲をカバーできるため、点検にかかる時間の短縮も実現でき、人員削減が大幅にできるでしょう。

質の高い点検作業が可能

点検用ドローンの導入は、点検作業の質を格段に向上させるメリットをもたらします。

ドローンは高解像度のカメラや各種センサーを搭載しており、人間の目では見落とすことがある微細な亀裂や腐食、構造上の問題をも捉えることが可能です。

特に狭い空間や危険な場所にも容易にアクセスできるため、全体的な点検作業の質を向上させることができます。

従来の方法では難しかった詳細なデータの収集と分析が可能になり、点検の精度が大幅に向上するでしょう。

点検作業の安全を確保

点検用ドローンを導入することで、点検作業の安全性を大幅に向上させることが可能です。

点検作業の中には、高所や狭い場所などへアクセスして行う場合があり、作業員にとって多大なリスクを伴います。

しかし、ドローンは遠隔操作により、人が直接アクセスしなければならない危険な環境や、高所作業が必要な場所でも安全に点検を行うことができます。

これにより、作業員の身体的なリスクを最小限に抑えることが可能です。

点検用ドローンを導入する際の課題

一方、点検用ドローンを導入する際の課題があるのも事実です。

ここでいう課題とは、撮影しにくい場所が存在したり、法律による飛行制限のエリアがあったりすることが該当します。

まず、撮影しにくい場所に関しては、ドローンの機動性にも限界があります。

例えば、非常に狭い空間や、複雑な構造物の内部など、ドローンがアクセスできない場所が存在し、これらの場所では実力を発揮しにくいでしょう。

さらに、ドローンの飛行には法律による制限が適用されます。

特に空港の周囲のように、航空機の安全な航行や地上の人々の安全に影響を与える可能性のある地域では、飛行制限があるため注意が必要です。

点検用ドローンを導入する際の費用相場とは

点検用ドローンの費用相場は、点検の種類によって必要になる機材や費用が異なります。

9つの点検の中では比較的導入のハードルが低い屋根点検の場合、機材は約20万円、実際に運用するための講習等も含めると約50万円はかかると言われています。

導入を検討される方は、何社か見積もりをとり、大体の費用相場を把握するようにしましょう。

点検用ドローンを活用した事例

弊社では、年間100棟以上を対象にドローン赤外線外壁調査を実施しています。

ドローンを活用した12条定期報告や建物診断などを行なっており、マンションだけではなく商業施設やホテル、学校など、さまざまな場所での点検作業が可能です。

年間150件を超える点検作業を行なっているため、実績も十分あります。

点検用ドローンを活用して作業の質を高めよう

近年、ドローン技術の進化に伴い、インフラから農業に至るまで様々な分野での点検作業にドローンが活用されています。

これは、人手不足の解消や安全性の向上、効率化が求められる現代において、人の手による点検作業の限界を補完するためです。

特に、法定点検におけるドローンの使用が認められたことは、この動きを加速させました。

「人員削減して業務効率化を図りたい」「点検作業の質をあげたい」などといった方は、ぜひドローンを活用した点検作業を検討してみてください。

ドローンフロンティアは御社のドローン活用を全面的にサポートさせていただきます。

-赤外線調査

関連記事

東京都での赤外線構造物診断はドローンフロンティアが実績豊富です

赤外線による構造物診断はドローンの登場により急激に加速しました。 現在、東京のビルマンションの構造物診断においても赤外線調査は多くの場所で取り入れられています。 ドローンフロンティアは建設業におけるド …

ドローンによる外壁の赤外線調査でコストが1/10に

東京・足立区を拠点に日本全国対応にてドローンソリューションサービスを提供しているドローンフロンティアです。 今回は、先日弊社が承った外壁の赤外線調査の事例をご紹介します。
お客様のご依頼の目的は「大規 …

【建物所有者必見】外壁からタイルが落ちる原因は?剥落前にできる対策方法も解説!

建物の所有者や管理者は、建物周辺環境に対して安全を配慮することが義務づけられています。 しかし近年、外壁からタイルが落ちる事故が相次いで発生していることをご存じでしょうか。 2023年4月には、北九州 …

外壁タイルの耐用年数は30年後ではない?知っておくべき耐用年数とメンテナンスの重要性

外壁タイルはモルタルと呼ばれる外壁材にタイルを直接貼り付け、タイル同士の隙間である目地をシーリング材で埋める方法で建造されます。 外壁タイルにはいくつか種類がありますが、いずれも耐用年数は30年以下で …

建築設備定期検査と特定建築物定期調査の違いを解説

建築基準法の12条では、建築物の安全性を確保することを目的とした法令が定められています。この法令を元にした点検制度が12条点検と呼ばれるものです。12条で定義される点検は大きく分けて「建築設備(昇降機 …