特養と呼ばれる特別養護老人ホームのようにもし災害が起きた時に自力で避難できない方が宿泊する介護施設は、建築基準法で外壁点検を実施することが義務付けられています。
外壁点検は10年に一度必ず実施しなければならず、これを違反した場合は罰則や罰金に科せられます。
この記事ではどのような介護施設が外壁調査を実施しなければならないのか、そして外壁調査とはどのようなことを行うのかをご紹介します
外壁調査が義務付けられている介護施設
介護施設と一口に言っても、さまざまな種類の介護施設が存在します。
建築基準法では介護施設に分類される施設を就寝用福祉施設と呼び、具体的には以下のような施設が該当します。
- サービス付き高齢者向け住宅
- 認知症高齢者グループホーム
- 障害者グループホーム
- 助産施設
- 乳児院
- 障害児入所施設
- 助産所
- 盲導犬訓練施設
- 救護施設
- 更生施設
- 老人短期入所施設
- 小規模多機能型居宅介護・看護小規模多機能型居宅介護の事業所
- 老人デイサービスセンター(宿泊サービスを提供するものに限る)
- 養護老人ホーム
- 特別養護老人ホーム(特養)
- 軽費老人ホーム
- 有料老人ホーム
- 母子保健施設
- 障害者支援施設
- 福祉ホーム
- 障害福祉サービス(自立訓練または就労移行支援を行う事業に限る)の事業所(利用者の就寝の用に供するものに限る)
これらの介護施設が3階以上もしくは地下にあり就寝用福祉施設として使用する部分の床面積が100㎡を超える場合、2階の床面積が300㎡以上の場合のどちらかに該当する場合は建築基準法に従い、3年に1回及び10年に1回の外壁調査を実施しなければいけません。
介護施設の利用者は何かしら日常生活を1人で送るのが困難な理由があり入所していることがほとんどです。病院と同様、利用者には介護施設で過ごす間の安全を保証できる状態を保つ必要があります。
外壁調査は文字通り施設外壁のみの調査ですが、点検を怠ると気付かぬ間にタイルが落下して利用者が怪我をしたり、震災などが発生した時に施設自体が大規模に破損して利用者が震災前の生活を送れなくなったりする可能性がゼロではありません。
外壁調査を実施して即座に安全性が向上するかは調査結果次第ですが、実施すると長い目を見た利用者の安全確保に繋がります。
人間を相手に安心安全のホスピタリティを提供する介護施設だからこそ、施設自体の安定性にも気を配ることが重要です。
介護施設の外壁調査を行う2つの方法
介護施設に限らず、どの施設でも外壁調査は「打診調査」「赤外線調査」いずれかの調査方法で実施されます。
介護施設のように利用者への騒音を避けたい場合は、打診調査よりも工数が少ない赤外線調査で実施できないか相談するのがおすすめです。
打診調査と赤外線調査が、それぞれどのような調査を行うのか解説します。
外壁調査方法①打診調査
打診調査は作業員が「打診棒」と呼ばれる特殊なハンマーを使って介護施設の壁を直接叩く調査方法です。
壁やタイル、モルタルの状態に応じて叩いた時の音が異なるため、ベテラン作業員が音を聞き分け、同時に目視でヒビなどを確認しながら行います。
経験豊富な作業員による打診調査は高精度な調査結果を得られますが、直接壁を叩くには作業員が壁に近づくための足場を組まなければいけません。
足場はパイプ等を使った工事現場のような仮足場やゴンドラなどを使用して組むことが大半です。
ただし、隣の物件との距離が近かったり道路が狭かったりなど、さまざまな理由で足場を組めない場合もあります。
そのような場合は作業員がロープを使用して打診調査やドローンによる赤外線調査で外壁調査が行われます。
外壁調査方法②赤外線調査
赤外線調査と呼ばれる方法では、赤外線カメラを搭載したドローンを実際に飛ばし、外壁を撮影した画像データを解析する調査を行います。
ドローンに搭載されている赤外線カメラはサーモグラフィーに対応しているため、外壁の各所を撮影すると温度が低い場所は青色、温度が高い場所は赤色で撮影されます。
赤外線調査は、一般的なカメラや目視では確認できない外壁の異常を広い範囲で効率的に調査できるのが特徴です。
打診調査では各部分を叩かなければ異常が分かりませんが、赤外線調査はタイルが浮いている部分の放熱されていない状態を検知できます。
そして、撮影画像を解析すれば異常部分と通常部分が異なる色で表示されるため、何処までの範囲に異常があるのかを把握するのにも最適な調査方法です。
ただし、赤外線調査は万能ではありません。例えば赤外線調査では天候により結果が左右されやすいです。
晴れの日で特に日光照射されている外壁では、全体的に赤く表示され、逆に日陰では全体的に青く表示される傾向にあります。
外壁に照射される日光量は時間経過や雲の有無、流れの速さによって変動するため、一定の水準の保った調査を行うには高度な技術が必要です。
そして、赤外線調査は打診棒で細かく異常を検査し実際に目視で観察する打診調査よりも、精度が劣りやすい傾向にあります。
どちらの調査方法も一長一短で、調査する施設に応じた向き不向きがあるため、もし希望がある場合は調査会社と相談するのがおすすめです。
介護施設の外壁調査ならドローンフロンティアへご相談ください
介護施設はさまざまな背景を持つ利用者の方が入所しているため、日常生活だけでなく万が一を想定した安全対策が不可欠です。
外壁は年中無休で雨や風などにさらされ、場合によっては震災の影響を受けることもあります。
どの施設であっても施工当初の安全性を永続的に維持することはできないため、ひとりで避難できない利用者の身の安全を保証するためにも、必ず定期的な外壁調査を実施しましょう。
介護施設で利用者に影響しにくい外壁調査についてお悩みでしたら、信頼と実績のある弊社「ドローンフロンティア」での外壁調査をご利用ください。
ドローンフロンティアは東京を拠点に日本全国でドローンソリューションサービスを展開している、産業特化型かつプロのドローンパイロットチームとしてドローン外壁調査を実施しています。
ただしドローンだけではなく、通常の打診調査やロープアクセスを使った足場を組まない調査も実施可能です。ドローンフロンティアでは物件ごとの状況に合わせた外壁調査のご提案をさせていただきますので、さまざまな外観の介護施設に対応できます。
費用対効果の高い調査を求めるなら、ドローンフロンティアにご相談ください。
弊社の外壁調査により、問題を早期に発見し、修理や改善のコストを削減し、施設の状態を良好な状態に保つサポートを行ってまいります。