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【建物所有者必見】外壁からタイルが剥落する原因は?剥落前にできる対策方法も解説!

投稿日:2024年2月27日 更新日:

ビルの外壁を彩るタイル。古いビルの中にはそのタイルの一部が剥がれて外壁の内側がむき出しの状態になっているのを見かけたことがあるという人もいらっしゃるのではないでしょうか。外壁に貼られているタイルが剥がれ落ちることを剥落(はくらく)と呼びます。近年、外壁からタイルが剥落する事故が相次いで発生しています。建物の所有者や管理者は、建物周辺環境に対して安全に配慮することが法で義務づけられており、外壁タイルについても適切な管理と修繕を行う必要があります。

タイル剥落の原因は?

自分の管理・保有する建物の外壁は大丈夫だろう、と思うかもしれません。しかし、どんな建物であっても外壁からタイルが剥落する可能性があります。タイルが剥落する原因に繋がるのが「浮き」です。「浮き」には、原因や状態によっていくつかの種類があります。中でも「下地浮き」と「陶片浮き」はよく見られる現象です。

下地浮きはモルタルが浮き上がっている状態

下地浮きは躯体からタイルを接着している下地のモルタルが浮き上がってしまっている状態です。タイル自体はモルタルには比較的しっかりと接着しています。主な原因として挙げられるのは下地のモルタルへの水分浸入、浸入した水分の凍結融解、下地モルタルの経年劣化、また地震や施工不良などです。

タイル自体が浮く陶片浮き

タイル自体が、それを接着しているモルタルや接着剤から浮き上がっている状態が陶片浮きです。この場合、下地のモルタルは躯体に比較的しっかりと接着していることが多いです。モルタルとタイルの間に水分が浸入してしまい、接着力が低下してしまったり、接着材が経年劣化したり、あるいはタイルの吸水率、温度変化による膨張収縮の繰り返しが発生したり、また接着材の塗布不足や圧着不足といった施工不良などが原因として考えられます。

国土交通省は剥落防止のため工程チェックリストを公開

国土交通省は外壁からタイルの剥落を防止するタイル張り工程の主なチェックリストとして、以下のようなものを提示しています。

  • 目地深さはタイル厚さの2分の1以内か。
  • 下地はひび割れ、浮き、汚れがなく、亀裂誘発目地は正しい設置されているか。
  • 下地の材齢や含水状態、下地精度には問題がないか。
  • タイル張りはオープンタイムで適切なモルタル充填度か。
  • 接着強度は4kgf/cm2以上の接着強度を有しているか。

など

出典:国土交通省「外壁タイル等落下物対策の推進について」

このほか、貼り付けに利用されるモルタルの混練での砂セメント量や水量などの品質管理が求められています。施工不良の発生を防ぐためにも、施工業者の選定には十分な注意が必要です。

外壁からタイルが剥落した時に発生する問題

外壁タイル剥落

万が一、外壁からタイルが剥落した場合、ただタイルが剥落するだけではなく、さまざまな問題が発生します。具体的にどのような問題が発生するのか、まとめてご紹介します。

外壁からタイルが剥落した場合の被害

タイル剥落時にもっとも恐れるべき被害は、直下に居る人への死傷事故に繋がることです。人の上に落ちるタイルは人命を奪う凶器にもなり得るため、被害の深刻さを認識し、適切な対策を講じなければいけません。

平成元年11月には、北九州市のRC造地上10階建て共同住宅で、塔屋部分のタイルが幅約8.5m×高さ約5mにわたり、約31m下に剥落した事故では2名が亡くなり、1名が重傷を負う死傷事故が発生しました。特定行政庁の調査によると、平成22年から平成31年(令和1年)の間に発生したタイル剥落事故は58件に上ります。これらの事故では28名が巻き込まれ、残念なことにこのうち1名が命を落としています。

事故の中では死傷事故には繋がらなくとも、周辺の車などに損害を与えてしまうケースも少なくありません。このような場合は所有者や管理者は損害賠償責任を問われる可能性もあります。

タイル剥落の場合は迅速に補修や修繕の実施を

タイルが剥落した場合は必要に応じて、タイルの補修や修繕を行わなければいけません。タイルの剥落状況にもよりますが、最低でも数万円以上の修繕費用はもちろん、他のタイル等に異常が無いかを全体的に確認するための調査費用が必要になります。

タイルが剥落すると、外壁は下地のモルタルがむき出しになっている状態です。そのため、雨漏りや断熱効果の減少などが発生することもあります。修繕が完了するまで、空調整備などで電気代がかさむこともあるでしょう。

外壁からタイルが剥落する前に行える対策方法

 

外壁からタイルが剥落前に予防する方法は、定期的に外壁調査を実施することです。外壁調査は
落ちる可能性が高い状態になっているタイルを目視で確認するだけではなく、目視では確認しきれないタイルの浮きなどを、赤外線装置を搭載したドローンで調査します。

ドローンを活用した定期外壁調査の結果次第ではタイルが落ちる前に必要に応じて対処できるため、定期的な調査を行わず事故発生後に修繕するよりも、低コストかつ安全にタイル剥落を防止できます。タイルの剥落を防ぐためには、定期的な点検と調査が重要です。

専門家による外壁調査

専門家による外壁調査では、以下のような項目をチェックします。

  • タイルの浮きやひび割れ、劣化状況
  • 目地の劣化や欠損、破損
  • シーリング材の劣化
  • 雨水の浸入状況

専門知識と経験を持つ調査員によって行われる外壁調査は、より詳細な現状を把握することができます。調査後に共有される報告書の内容に応じて適切な補修や修繕を行うことで、外壁からのタイル剥落を防ぐことが可能です。

異常が発見された場合は浮きやひび割れの補修や目地の打ち替え、欠損や破損の補修、シーリング材の打ち替え、防水対策、タイルの張替えなどを行う必要があり、修繕費用が発生します。

事故が発生した後のリスクやコスト、そして小さな異常から大きな異常に派生した後の莫大な修繕費用などを考えると、こまめに小規模な修繕を行った方がコストパフォーマンスに優れています。そのため、なるべく定期的な外壁調査の実施がおすすめです。

タイルが剥落する前に外壁調査を

タイル剥落

専門家による外壁調査は一般の人では見つけにくい問題点を発見でき、その上で調査結果に基づいて、適切な対策を講じることができる外壁からタイルが剥落する前にできる数少ない対策です。定期的な外壁調査は早期に対策を講じるために不可欠な調査でもあります。

外壁からたった1枚タイルが剥落しただけでも、死傷事故に繋がりかねません。建物の所有者や管理者に求められる安全配慮義務を果たせるよう、少しでも違和感を覚えたら早急に外壁調査を実施しましょう。

マンション、ビルの外壁調査はドローンフロンティアへ

外壁のタイルが浮いているように見える、目地にヒビが発生しているなど、眼に見える異常が発生しているのであれば、全体の調査・点検を行い、修繕することでタイル剥落のリスクを回避することができます。しかし、外壁の目視や打診による確認だけでは経年劣化を見つけられないケースも多々あります。ドローンに搭載した赤外線装置を使った外壁調査であれば、短期間・低コストで点検を実施することが可能です。またドローンで定期的に外壁調査を実施することによって今後の修繕方針を検討するための客観的な調査データを取得できるというメリットもあります。ドローンによる外壁調査・点検は私どもドローンフロンティアにご相談ください。

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