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タイルが浮く陶片浮きとは?下地浮きとの違いや補修方法までまとめて解説!

投稿日:2024年3月10日 更新日:

外壁タイルは頑丈に施工されていますが、長年に渡り紫外線や風雨、地震などの影響を受ける外壁タイルは、どうしても施工当時より劣化します。そして、場合によってはタイルが浮いたりかけたりすることも珍しくありません。

外壁からタイルが浮いてしまう原因はさまざまな可能が考えられますが、その中でも下地となるモルタルからタイルが浮いている状態を陶片浮きと呼びます。

本記事では、そもそも陶片浮きはどういうものなのか、類似している下地浮きとは何が違うのか、陶片浮きはどう補修すべきなのかなどを解説します。

陶片浮きとは?下地浮きとの違い

外壁に貼られているタイルは陶片とも呼ばれており、セラミックや陶磁器や砂、セメントなどの材料から作られ、建物の内外壁や床などに使用されます。そのため、陶片はタイルのことを意味します。

陶片ことタイルは非常にさまざまな種類があり、使用する目的やデザインの意図に応じ、適切なタイルを選ばなければいけません。

例えば床用のタイルであれば歩行や重量への耐久性を意識する必要がありますが、外壁用のタイルであれば厚みがあり紫外線や雨風などの影響を受けることを加味した、耐久性の高いタイルを採用するのが無難です。

しかし、どのタイルを採用したとしても下地モルタルからタイルが浮くことがあります。陶片浮きは、このようなタイルを貼り付けているモルタルからタイルが浮いている状態のことを言います。

陶片浮きの原因はさまざまなものがありますが、下地であるモルタルやシーリング剤の不適切な処理、気候の変化による各材料の収縮や膨張、水分の侵入など主な原因になりがちです。

陶片浮きと下地浮きの違いは?

陶片浮きと下地浮きの違いは、何処に浮きが発生しているかです。

陶片浮きはモルタルとタイルの間が浮いている状態ですが、下地浮きはコンクリートの躯体とモルタルの間に浮きが発生している状態のため、同じタイルの浮きであっても浮いている場所によって浮き方の種類は異なります。なお、陶片浮きは下地浮きと違い、下地であるモルタルと躯体となるコンクリートは貼り付いている状態です。

外壁調査の打診法では打診棒を使用して叩いた時の音の違いでもタイルの浮きを確認でき、陶片浮きは少し高めの空洞のような音が鳴り、下地浮きはやや低音のボコッとした音が鳴ります。

陶片浮きの発生によるデメリット

陶片浮きが発生した場合に起こるデメリットとしては、浸水や損傷、安全上のリスク向上などがあります。

陶片浮きはタイル自体がモルタルから浮いてしまっている状態のため、タイルとモルタルの隙間から雨水などが浸入しやすい状態です。そのため、モルタルを通じて建物内部の躯体に浸水すると腐食や劣化などを引き起こし、雨漏りを引き起こす可能性があります。

そして、浮き上がったタイルは落下する恐れがあり、周辺を移動する人に怪我をさせてしまう可能性も高いです。床タイルで陶片浮きが発生したらつまずきや転倒の原因になるように、外壁タイルも直接触れる機会がなくとも怪我の原因になり得ます。

陶片浮きは早急に補修すれば低コストの修理費で済みますが、補修規模が大きくなってしまってからの修理は大きなコストを招きかねません。

陶片浮きは確認した時点で速やかに対処することで、リスクやコストを大幅に軽減できます。定期的な外壁調査などを行い、陶片浮きのリスクを最小限に抑え機能性と安全性を保持することが重要です。

陶片浮きの補修方法は?

陶片浮きが発生した場合は、タイルの浮き具合に応じた補修を行う必要があります。以下では、陶片浮きの補修方法として代表的なものを2つご紹介します。

陶片浮きの補修方法①アンカーピンニング注入工法

アンカーピンニング注入工法はタイルに穴を開けて適切に混ぜたエポキシ油脂とエバーボンドを注入し、エポキシ樹脂を塗布したアンカーピンを穴に埋め込んでタイルを固定する方法です。

注入剤を入れた後にアンカーピンで強くタイルを固定しているため、重度の陶片浮きにも対応できます。なお、注入剤が注入する穴から漏れてタイル表面に付着してしまうと、除去するのが難しいため養生しながら注入しなければいけません。

アンカーピンニング注入工法は浮いたタイルを下地モルタルに直接固定するため、より確実かつ強固に補修できる方法です。ある程度の工数や費用はかかりますが、後述のタイル張り替えよりは低コストで済みます。

補修方法として似たものでエポキシ樹脂注入工法がありますが、陶片浮きの補修では基本的にエポキシ樹脂注入工法を採用しません。

陶片浮きはタイルがモルタルから浮いている状態であり、エポキシ樹脂を注入しても浮いている隙間の部分に入りにくい状態です。

そのため陶片浮きにエポキシ樹脂注入工法を採用することはできませんが、下地浮きの場合はエポキシ樹脂注入工法で補修可能です。

陶片浮きの補修方法②タイル部分張替え工法

タイルにひびや亀裂などが確認できるなど、タイル自体に損傷や欠損がある場合は問題のあるタイルのみを貼り替えるタイル部分張替え工法が採用されます。

タイル部分張替え工法は陶片浮きが確認されたタイルをひとつずつ除去し、新しいタイルに貼り替える方法です。

タイルを除去する際は問題がない周辺のタイルにダメージを与えないよう、細心の注意を払わなければいけません。タイルを除去したあとは新しいタイルを貼り付けてタイル目地を注入すれば補修完了です。

タイル部分張替え工法はアンカーピンニング注入工法よりも重度な陶片浮きや、浮きの根本的な原因にアプローチしたい場合、タイル自体に損傷や変色、歪みなどが確認される場合に採用されます。

補修としての完成度はアンカーピンニング注入工法よりも高いですが、その分タイル部分張替え工法の方が修理費用や工数などのコストは上がりやすいです。

陶片浮きを発見したら、速やかに補修対応を

タイルが浮いた状態である陶片浮きは下地浮きと混在されやすいですが、陶片浮きと下地浮きはタイルの浮きが発生している原因が異なります。

下地浮きで採用できる補修方法は陶片浮きに効果が無い方法であることも多いため、自己判断をせずタイルの浮きを発見したら早急に専門家に補修依頼することで長い目で見たコストを下げることが可能です。

陶片浮きはいつの間にか発生しがちな外壁タイルのトラブルですが、定期的な外壁調査で発見できる異常でもあります。法令点検である10年に1回の外壁調査はもちろんですが、定期的に外壁調査を実施し外壁を長持ちさせられるよう管理しましょう。

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