マンションやビルなど建物には定期的な点検・検査が建築基準法という法律で義務付けられています。この法律は建物に住まう人、使う人が安全に、安心して利用できるようにするだけでなく、近隣を通る歩行者に対する安全の確保という観点からも順守しなければならないものです。検査で重要なのが外壁のチェックです。美しさや高級感を演出するため、外壁をタイルによって装飾しているマンションや住宅が少なくありません。外壁を飾るタイルは経年変化だけでなく、メンテナンスを怠ったり、あるいは施工不良だったりすることで、浮きが発生してしまい、落下する危険性があります。外壁タイルの定期的な検査や補修は重要です。
タイル浮きを補修せずに放置は危険
マンションやビルの外壁を美しく、時には優雅に見せるのがタイルです。外壁に利用されるタイルは下地コンクリートに下地モルタルや接着剤で貼り付けられます。あるいはサイディングに引っ掛け、接着剤で貼り付ける方法もあります。外壁のタイルは石や土、粘土を約1,300度という高温で焼き固めたものであり、経年変化に強いのですが、貼り付けに利用される下地モルタルや接着剤は雨や風、雪、夏の厳しい直射日光による紫外線の影響、あるいは温度差などで劣化していきます。
その結果、発生するのがタイル浮きという状態です。タイル浮きにはこうした外的環境のほか、地震のような自然災害の影響で発生する場合もあります。タイル浮きを放置した場合、さらに下地にあるモルタルの劣化が進んでしまい、付着力は低下。そうなると剥離・落下してしまう危険性があります。
外壁タイルの状況調査は義務
国土交通省が2008年に告示した「平成20年国土交通省告示第282号」で、専門家による外壁の6ヶ月から3年以内の定期的な検査および報告、20年に一度の全面的な打診などを行うことが義務化されました。
外壁タイルの施工方法には「乾式工法」と「湿式工法」があります。「乾式工法」は建物の外壁に張る仕上げ板材「サイディング」にタイルを引っ掛け、接着剤で貼り付けるという方法になります。一方の「湿式工法」は外壁タイルを下地コンクリートにモルタルで貼り付けていくという方法になります。
国交省が調査の義務化を対象としたのは湿式工法によって施工された外壁タイルとなっています。
タイル浮きの目視確認は困難
タイル浮きを放置し、万が一、周辺にいた歩行者に剥離・落下した外壁タイルが当たり、怪我をさせてしまうようなことがあった場合、その責任は建物保有者・管理者が負うことになります。安全・安心のためにもタイル浮きが見られる場合には迅速な補修が必要になります。
タイル浮きが目視で確認できれば、剥離・落下する前に補修工事を行うことができます。触診はテストハンマーや打診棒といったツールを利用して、音や感触でタイルの浮きを確認します。しかし高所に貼られたタイルの浮きを目視確認するのは困難です。そのため、多くの場合は足場を組む、高所作業車、ゴンドラを用意するなど、手間と時間とコストがかかります。一般的に足場を組んだり、ゴンドラを利用したりといった検査の場合、こうした仮設設備の設置だけでも数百万円以上のコストが発生します。
ドローンによる赤外線調査でタイル浮きの確認を
そうした状況を背景にドローンを利用した調査が注目されています。ドローンを使い、搭載したカメラでタイル浮きを確認する方法であれば、目視確認できない高所でも状況を確認することができますし、一般的な触診検査で組む足場や、設置するゴンドラといった仮設設備が不要なので、より低コスト、短期間で高い精度の検査を実施することができます。
ドローン調査では通常のカメラでひび割れやシーリング劣化の確認を行い、さらには赤外線カメラを利用して、外壁の温度を可視化。温度差から劣化してタイル浮きが発生している場所と正常な場所の判定を行います。
ドローンによる赤外線調査は2022年1月、「平成20年国土交通省告示第282号」が一部改正されており、打診以外の調査方法で、ドローンによる赤外線調査がテストハンマーによる打診と同等以上の精度をあるものとして明確化されています。私どもドローン・フロンティアはこのドローンによる赤外線調査を手がけています。
ロープアクセスによる調査も
私どもドローン・フロンティアはロープアクセスで調査を実施している専門企業の株式会社4Uと業務提携を行っています。調査データをより詳細にするため、必要に応じて、同社と連携して調査を実施しています。
タイル浮きが見つかったら補修の検討を
調査の結果、タイル浮きが見つかった場合、迅速に補修を検討する必要があります。タイル浮きの補修方法としては浮いているタイルの目地に穴を開け、接着剤を流し込み、アンカーピンで固定するアンカーピンニングエポキシ樹脂注入工法、あるいは浮きが出ているタイルを剥がして、貼り替えるといった方法で補修を行います。どちらの工法を選択するかは状況および専門家の判断に依ります。
タイル浮き補修は軽度であればアンカーピンニング注入工法で
アンカーピンニングエポキシ樹脂注入工法で補修が行われるのはタイル浮きが軽度の場合やタイル浮きの場所が少ない場合には有効の工法の一つとなります。この工法はドリルでタイルの目地部分から下地部分まで穴を開け、そこからタイル浮き部分にエポキシ樹脂を充填。ステンレス製のアンカーピンを打ち込み、タイルを固定するという方法になります。
重度の場合のタイル浮き補修は部分貼り替えで
浮きが重度になっている場合には部分貼り替えを行わなければなりません。部分貼り替えは浮きが確認された外壁タイルをカッターなどで切り出し、切除。下地のモルタルを除去して、下地コンクリートを清掃して、貼り替え用のタイルを貼り付けます。
私どもドローン・フロンティアは全国500社近い加盟数を誇る総合建設業組合「GCU(Global Construction Union)」との密接な連携をしております。赤外線検査の結果、アンカーピンニングや部分貼り替えなどのタイル浮き補修が必要となった場合、同組合をご紹介することが可能です。
タイル浮きが発生している?補修はどうする?ご相談はドローンフロンティアへ
外壁タイルの目地にひびが目視できた場合や、浮きが認められた場合には、剥離・落下を防ぐためにもできるだけ早く、外壁全体の調査と補修をしなければなりません。
ドローンを利用する赤外線外壁調査は足場を作る必要がなく、迅速に短期間で行うことが可能です。またコストもテストハンマーを使う打診検査よりも少なくてすみます。
私どもドローン・フロンティアは日本全国でドローンの飛行許可を取得しているため、ドローン飛行禁止区域が多い都心部でもドローンによる赤外線検査を行うことが可能です。また、赤外線調査の結果、タイル浮きのさらなる調査が必要となった場合には提携しているロープアクセス調査会社と連携し、目視確認や打診検査を組み合わせた、より詳細な報告を行えます。調査の結果、タイル浮き補修について、提携先の建設組合や建築会社をご紹介することができます。
タイル浮きによる外壁タイルの剥離・落下事故を減らすためには定期的な検査と、不具合を発見したときの迅速な補修を行う必要があります。ドローン・フロンティアには電話・メールのほか、無料相談フォーマットでお気軽にお問い合わせください。