赤外線調査

マンションの外壁調査のススメ

投稿日:2021年12月8日 更新日:

マンションの外壁は経年劣化がつきものです。

例えば、外壁タイルは外壁メンテナンスを怠ると剥離する恐れがあり、歩行者に危険を及ぼすため建築基準法施行規則が改正 (2008年4月1日施行) され、マンション竣工後10年経過すれば外壁の全面打診調査が義務付けられました。

 

本記事では、定期点検のみならずマンションの外壁調査を行なうべきタイミングを事例写真とともにお伝えしていきます。

 

1、建築基準法施行規則について

冒頭でマンションの竣工10年経過後の点検義務についてお伝えしましたが、

特定建築物(国が指定したもので、さらに特定行政庁(地方自治体)が独自に指定している建物)の対象になると定期点検が必要になります。

 

マンションが特定建築物に当たるかどうかは、特定行政庁(市区町村)ごとに定められる建築基準法施行細則に記載されています。

例えば、東京都の特定行政庁では階数が5階以上かつ床面積の合計が1,000㎡を超える共同住宅を特定建築物として定期点検対象に定めていますが、神奈川県ではその定めがありません。

このように地域によって異なるため確認が必要です。

 

マンション外壁は定期点検のタイミング以外でも、異変を感じたら外壁調査を検討する必要があります。

冒頭でお伝えしたタイルの剥落リスク以外にも、放置しておくと躯体に影響を及ぼしたり雨漏りを引き起こしてしまうケースもあるのです。

 

2、マンション外壁調査が必要なタイミングとは?

 

マンションの外壁に発生する劣化は複数ありますが、

1、外壁タイルの浮き・ひび・欠損

2、白華現象

が代表的です。

 

①タイルの浮き・ひびや欠損

太陽光によって熱が上がりまた冷めるという表面温度変化によってタイルが膨張・収縮を繰り返すことで劣化が進みます。また、タイルの圧着不足やプライマーの塗布が甘いなど施工による問題によってタイルが浮き、剥離につながるケースもあります。

また台風などで外壁タイルにものが当たるなど直接的な原因によって欠損するケースもあります。

 

 

 

 

②白華現象

モルタルに含まれる水酸化カルシウムが雨や雪などに溶け出し、二酸化炭素に反応して炭酸カルシウムという白い粉状になることを指します。白華現象を放置しておくと、コンクリートの中性化によって酸素や水が内部に入り込み、コンクリート内の鉄筋や鉄骨を腐食させる恐れがあります。

 

 

これらの状況が見られる場合は、一刻も早いタイミングでの外壁調査が必要です。

 

3、マンションの外壁を修繕するかどうかの基準は?

 

外壁調査を行なった後は、修繕工事をするかどうかの判断が必要です。

ではどのような状況であれば修繕が必要になるのでしょうか。

 

定期点検において修繕が必要な状況のことを要是正といいますが

平成20年国土交通省告示282号「判定基準」では要是正の基準は、

・タイルの欠損

・著しい白華現象(エフロレッセンス)

・著しいひび割れ

と定められています。

 

定められているとはいえ、”著しい”というのは非常に曖昧な表現なので、

修繕が必要かの判断が難しいですよね。

 

そこで弊社では、複数の協会が定めるそれぞれの基準を調査した上で、独自の修繕基準を設けています。

弊社が定める修繕基準の一例は以下になります。

 

タイルの浮き→1箇所の面積が0.04平米(200mm角)以上のタイル浮き

著しいひび割れ→ひび割れ幅0.2mm以上

 

上記の数字以上の浮きやひび割れが見られる場合は、今後タイルが剥離する危険性があるものとして修繕工事が必要になります。

 

4、マンション外壁調査が急遽必要になった場合の対応

 

定期点検と違い、マンションの外壁に不具合が見られた場合の突発的な調査は、

予算の確保が難しい場合があります。

外壁調査に掛かる予算をなるべく抑えたい場合は、ドローンによる赤外線調査をお勧めします。ドローンによる赤外線外壁調査は、仮設足場を必要としない分コストを大幅に抑えることができます。

 

例えば、2000平米のマンションの場合で比較してみましょう。

・打診調査

費用:平米単価1,000円前後(足場代+打診調査費) 計200万円

 

・ドローンによる赤外線調査

費用:平米単価330円 計66万円(報告書作成費用も含む)

 

マンションの外壁調査費用を1/3程度に抑えることができるのです。

 

また外壁に不具合が見られる場合は出来るだけ早く調査を行う必要がありますが、工期の観点から見てもドローンによる赤外線調査に軍配が上がります。

 

2000平米のマンションの場合

打診調査の工期:2週間~4週間程度(足場を組む時間も含みます)

ドローンによる赤外線調査の工期:1~2日程度(気候条件の予備日も含む)

 

5、マンション外壁調査の流れ

マンション外壁調査は以下の流れで行います。

 

1、相談

2、現地調査

(遠方の場合は事前に資料を頂き、先にお見積りをさせて頂く場合もございます。)

3、お見積書の提出

(お見積書のご提出の際に、マンション所在地の法規制を確認しドローン飛行が可能か確認を行います。)

4、ご依頼

5、赤外線調査(1~2日)

6、報告レポート(2週間~1ヶ月)

(物件規模・劣化具合により報告書の提出期間は前後します。)

 

6、マンションの外壁調査はドローンフロンティアにお任せください。

 

ドローンフロンティアでは、定期点検及び、外壁に不具合が見られる場合の外壁調査を年間150棟ほど行なっております。

法令を把握した上で調査を実施し、適切な修繕工事を行うための詳細な赤外線報告レポート

をご提出します。

 

弊社の赤外線調査サービスについてはこちらに詳細をご覧ください。

 

-赤外線調査

関連記事

安全対策以外でホテルの外壁調査をする意味は?抑えておきたい外壁調査の基本を解説

ホテルをはじめとする宿泊施設は料金、利便性、アクセス、外観の美しさ、口コミなど、さまざまな要素によって宿泊先として選ばれます。選ばれやすいホテルとして経営することは重要ですが、お客様に快適かつ安全な時 …

ドローンの点検が増えている理由やできること9選|メリットや費用相場についても解説

建設業のドローン活用をトータルで支援するドローンフロンティアです。 今回は急速に普及が進むドローン点検について解説します。 ドローン技術が進化する中、インフラや設備などの点検作業でドローンを利用する人 …

外壁タイル調査

マンションの外壁、タイルの剥がれを見つけたら!?

マンションの外壁を美しく彩るタイル。タイルの役割は外観に重厚感や高級感を与えるだけではありません。雨や風、強い日差し、紫外線から守る、など、外壁を守るという重要な役割を果たしています。タイル自体は経年 …

12条点検はドローンで行うのが正解!ドローンによる外壁調査のメリット・デメリットを解説

東京・足立区を拠点に、日本全国対応にてドローンソリューションサービスを提供しているドローンフロンティアです。 建築基準法第12条に基づく定期点検、いわゆる「12条点検」では、調査項目の中に外壁調査が含 …

ドローン点検

ドローンによる点検、 費用はどのくらいかかる?

ドローンの登場によってマンションやオフィスビル、工場など、建築物の外壁をはじめるとする各部の点検調査は格段に進歩を遂げたといえるでしょう。これまで建築物の点検では調査する部分が広範囲かつ高所にまで及ぶ …